海上保険法改正の検討開始

法務省管下の法制審議会で海上保険法の改正が諮問されていました。
「法制審議会第171回会議(平成26年2月7日開催)」
http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi03500022.html
法務省 審議会等 > 審議会 > 法制審議会 - 総会 2014.2.7)

法務大臣から新たに発せられた「国際裁判管轄法制(人事訴訟事件及び家事事件関係)の整備に関する諮問第98号」及び「商法(運送・海商関係)等の改正に関する諮問第99号」に関し,事務当局から諮問に至った経緯,趣旨等について説明があった。
これらの諮問について,その審議の進め方等に関する意見表明があり,諮問第98号については,「国際裁判管轄法制(人事訴訟事件及び家事事件関係)部会」(新設)に,また,諮問第99号については,「商法(運送・海商関係)部会(新設)」に付託して審議することとし,部会から報告を受けた後,改めて総会において審議することとされた。

議事録を読むとこんな説明がされていました。

この分野は,明治32年の商法の制定以来,115年の間,実質的な見直しがされておらず,規定の内容が現代社会に適合していないとの指摘がございます。例えば,現在広く行われている航空運送は商法が制定された当時には想定されておらず,商法には航空運送に関する規律は設けられておりません。また,現在では,一つの運送契約で陸・海・空という複数の運送手段にまたがる複合運送を引き受けることも少なくありませんが,このような運送形態に関する規律も商法には設けられておりません。そこで,これらに関する規律を新設するなど,社会経済情勢の変化に対応する必要がございます。
次に,見直しに当たっては,現代の取引実務に即して,荷主や運送人を始めとする運送関係者の利害関係を合理的に調整することができる規律とする必要がございます。例えば,海上運送においては,運送人は出航の際に船舶を航海に適した安全な状態に置く義務を負うとされており,この義務のことを一般に堪航能力担保義務と呼んでおりますが,商法では無過失責任とされているこの義務を過失責任に改めるべきかどうかや,積荷に危険物が含まれることを告げずに運送を依頼した荷主の責任を厳格化すべきかどうかといった点について,運送関係者から幅広く意見を聴取しつつ検討することが考えられます。
さらに,海商法制においては,国際性が強く要請されることから,世界的な規律の動向を踏まえたものに改めるべきであるとの指摘もされています。例えば,複数の船舶が衝突した場合の損害賠償責任の在り方や,沈没しそうな船舶を救助した場合の救助料請求権の在り方等については,国際条約と商法とで規律が異なっており,条約の適用の有無により適用される規律が異なるという問題があるため,このような条約等の規律と整合するように商法の規律を整備する必要がございます。
そこで,商法制定以来の社会経済情勢の変化への対応,荷主,運送人その他の運送関係者間の合理的な利害の調整,海商法制に関する世界的な動向への対応等の観点から,商法等のうち運送・海商関係を中心とした規定を見直すことについて,法制審議会の意見を求めるものでございます。

保険法が終わったから、今度はマリンに手をつけようかといったところでしょうか。確かに、115年間も前の法律なら、現状にそぐわない箇所も多々生じるのも仕方ないです。