保険業法改正案−募集規制

国会提出法案(第186回国会)に「保険業法等の一部を改正する法律案」がありました。
その改正内容の中に「保険募集及び保険販売に関する規制の導入」がありました。これは金融審議会の保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキング・グループにて議論されていた内容からきているようです。
概要は次のとおりです。

4.保険募集及び保険販売に関する規制の導入
(1)保険会社又は保険募集人等は、保険契約者等の保護に欠けるおそれがない場合を除き、保険契約の締結等に関し保険契約者等の保護に資するため、保険契約の内容その他保険契約者等に参考となるべき情報の提供を行わなければならないこととする。 (保険業法第294条関係)
(2)保険会社又は保険募集人等は、保険契約者等の保護に欠けるおそれがない場合を除き、顧客の意向を把握し、これに沿った保険契約の締結等の提案等を行わなければならないこととする。(保険業法第294条の2関係)

 .
(1)は、第294条(情報の提供)第1項で規定されています。もともと重要事項の説明は別のところで行わなければならないことが定められています。しかし、何が重要事項かの判断基準が保険業法上では規定されてないので、それを規定するために置いたようです。私は一番のポイントは『顧客が保険加入の適否を判断するのに必要な情報』としている点にあると思っています。現状の重要事項説明書(契約概要・注意喚起情報)は保険会社の保身のためと思われる記載で溢れかえってボリュームが多すぎますから。
(2)は、第294条の2(顧客の意向の把握等)で規定されています。こちらは保険会社向けの総合的な監督指針では規定されていますが、保険業法にはありませんでした。今回を機に現状のルールよりも厳しい内容で、保険業法に定められることになりました。意向確認は今でも行われていますが、法改正後も実効性を確保するのが難しそうな気がします。
細かいことは例によって保険業法施行規則や保険会社向けの総合的な監督指針で定められるでしょうから、それが出たらまた見てみようと思います。