三井ダイレクトは、2027年4月1日に三井住友海上ダイレクトに社名を変更する旨のニュースリリース「三井ダイレクト損保の商号変更に関するお知らせ」(2025.9.30)がありました。
商号の変更
| 現商号 | 三井ダイレクト損害保険株式会社 | Mitsui Direct General Insurance Company, Limited |
|---|---|---|
| 新商号 | 三井住友海上ダイレクト損害保険株式会社 | Mitsui Sumitomo Direct General Insurance Company, Limited |
英文名称について、「Marine」がないのは、三井住友海上あいおい損害保険株式会社の英文名称「Mitsui Sumitomo Aioi Insurance Company, Limited」にもないので納得できるのですが、「General」は削ってもよかったんじゃないかなと思います。
商号変更の背景
商号変更の背景については、ニュースリリースには、次のとおり書かれています。
2.商号変更の背景
2027年4月1日(予定)より、当社グループ各社は統一ブランドとして「三井住友海上」を掲げます。これに伴い、三井ダイレクト損保も、三井住友海上グループの一員であること、そして成長著しいダイレクト事業領域を担う会社であることを明確に表すため、新商号「三井住友海上ダイレクト」を掲げることとしました。これまで以上にグループ各社間の連携を強めるとともに、一層の認知や信頼をいただき、より多くのお客さまから選ばれる会社を目指していきます。
三井住友海上とあいおいニッセイ同和の合併とMS&ADホールディングスの商号変更を機に、三井ダイレクトも変更するかどうか気になっていました。グループ内の重要なポジションにないのなら、商号変更のデメリットの方が大きいだろうから、変更しないだろうと思っていました。
イーデザイン損保が名称からは東京海上グループとはわからないのに比べて、三井ダイレクトは三井住友海上グループであることがわかるので、ネームバリューのために社名を変更する必要性は低いと思っています。
インターネット内に定着した名を捨てて、新たな社名を広めるには多くのコストと時間がかかり、それでもブランド統一による営業上の効果は限定的と考えられ、あまり合理的な判断ではないような気がします。
期待している役割
今後の展開として、ニュースリリースには、次のとおり書かれています。
3.今後の展開
三井ダイレクト損保は、グループにおける先進的取組みを実行するパイロットの役割をさらに強化します。同社の特長である「デジタル技術を活用したお客さまとのコミュニケーション力」や「機動性を備えた、高い商品開発力」を活かし、お客さまニーズに合致した商品・サービスや、お客さまへのエフォートレスな価値提供を追求し、グループ全体において同社が持つ強みを発揮していきます。
自動車保険メインの現状でパイロットの役割ってあったのか?とか、「機動性を備えた、高い商品開発力」は本当にあるのか?とかの疑問はありますが、わざわざこのようなことを記載しているということは、改めて三井ダイレクトに何等か役割を担わせようとしているかもしれません。
「ダイレクト系損保の自動車保険の状況(2024年度)」(2025.8.3)では、三井ダイレクトは低迷組にあることを書きましたが、先進的取組みを実行するパイロットの役割を最優先にするなら、収入保険料を伸ばすよりも、いろんな実験をすることことに重きを置くかもしれません。
それなら、社名変更のデメリットよりも、三井住友海上のブランドで奇抜なことをするメリットの方があるという考えも納得ができます。