MS&ADとダイレクト系損保

先ほどは「あいおい損保・ニッセイ同和の合併と三井住友海上との統合(其の参)」で、あいおい損害保険株式会社ニッセイ同和損害保険株式会社の合併および三井住友海上グループホールディングス株式会社への統合について触れて、その基本計画にてグループガバナンス体制として損害保険事業戦略会議が行うこととされていることを書きました。
そして、この損害保険事業戦略会議には、来年10月においては三井住友海上火災保険株式会社とあいおいニッセイ同和損保の2社でを行うこととなっています。
ここで疑問に思うのは、MS&ADの直下にぶら下がることが確定している三井ダイレクト損害保険株式会社は、損害保険事業戦略会議のカヤの外であることです。
国内損保事業の大きな部分を占める自動車保険について、既存損保は成長の見込みがないのに比較して、ダイレクト系損保はまだ伸び続ける可能性が高いです。グループとして収益の拡大を目指すなら、戦略としてネットでの販売を組み込むべきではないかと思います。
この感じでは、三井ダイレクトは統合による影響をほとんど受けずに、グループ色も出すことなく事業を続けるように思います。イーデザイン損害保険株式会社が事あるごとに東京海上ホールディングス株式会社のグループ会社であることを訴求しているのと対照的です。
 
あいおい損保は、SBI損害保険株式会社アドリック損害保険株式会社に出資していますが、その点に関しては基本計画にまったく記載がありません。尤も、この2社はあいおい損保よりも大きな出資者(というか母体)がそれぞれありますので、あいおい損保の都合でグループの戦略に組み込むことはできないという事情があります。
いずれにせよ、三井ダイレクト,SBI損保,アドリック損保は統合とあまり関わりはなさそうです。