東京海上日動がAmazonで保険を…

東京海上日動火災保険株式会社Amazonで保険を販売するという日本経済新聞の記事がありました。
22日からということなので、まだAmazonのサイトにも何も出ていないし、東京海上日動のサイトを見てもこれといった情報が見当たりませんが、非常に興味深いので、憶測込みでつらつらと書いてみることにしました。
 
まず、件の記事は↓です。
東京海上Amazonで保険販売 デジタル販路で若者開拓」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB264130W2A720C2000000/?n_cid=NMAIL007_20220812_Y
日本経済新聞 2022.8.12)

東京海上日動火災保険は22日から、アマゾンジャパン(東京・目黒)のネット通販サイトで保険を販売する。地震保険から始め、傷害保険などに広げる。アマゾンのアカウントで保険に加入し、保険料の支払いから保険金の受け取りまで一括で提供するのは大手保険では国内初という。巨大なアマゾンのデジタル販路を生かし若年層を取り込む。対面営業が主流だった保険販売は転換点を迎える。

 
記事の見出しには、保険販売とありますが、ここから掘り下げてみます。
一般に、保険の販売と言えば、保険募集のことを指します。
損保では、募集資格のある保険募集人のいる保険代理店が保険の販売をし、これが保険募集のことですが、Amazonは保険代理店としての保険販売はしないとのことです。
では、どういうことか。
重要事項説明や意向確認を含む保険募集は東京海上日動がインターネットにてダイレクト販売で担い、Amazonは単なる広告の出稿先という位置付けとし、Amazonからの見込み客に応じて広告料を支払う形にするのでしょう。
これはダイレクト損保では割と普通に行われている形態で、目新しいことではなく、募集規制上の問題点もないはずです。
既存の保険代理店での販売と競合する恐れがあるにもかかわらず、東京海上日動がこのスキームでダイレクト販売をすることに目新しさというか、意外性があります。
 
Amazon固有の対応として、顧客情報を顧客同意のうえで連携することAmazon Payで保険料の支払ができることが記事に書かれていました。
後者について、Amazon Payは前払式支払手段に該当するので、前払式支払手段での保険料支払ができる認可が必要そうです。きっと、東京海上日動なら既に認可を持っているでしょう。
とすると、この2点はシステム対応がメインになってくると思われます。
 
↑を考慮すると、Amazon経由で契約できる商品は次の条件を満たすものになると考えられます。
・単純・簡潔な商品
(∵インターネットで重要事項説明や意向確認を行うため)
・既存の保険代理店での主力商品以外
・保険料の払込方法は一括払
(∵Amazon Payでの分割払は保険料不払が頻発しそうなため)
記事では地震保険を販売すると書かれていますが、この地震保険は火災保険に付帯する一般的な地震保険ではなく、地震に備えるEQuick保険のことですね。