東京海上日動の地震補償新商品

東京海上日動火災保険株式会社がちょっと変わった新商品のニュースリリースを出しました。
「【国内初】震度連動型地震諸費用保険(地震に備えるEQuick保険)の販売開始」
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/200309_01.pdf
 
ニュースリリースの内容を見るかぎりでは、この新商品はSBIリスタ少額短期保険株式会社(旧 日本震災パートナーズ株式会社)の「地震被災者のための生活支援費用保険」(ペットネーム:ミニリスタ)との類似点が非常に多いです。ミニリスタは現在は細々としか販売されていないようですが。
ちなみに、ミニリスタは同社の主力商品「地震被災者のための生活再建費用保険」(ペットネーム:リスタ)とよく似ていますが、別の商品です。
 
ミニリスタの保険金の種類は次の2つです。
地震被災費用保険金
震度6強被災保険金
このうち、後者の震度6強被災保険金が、東京海上日動地震に備えるEQuick保険と類似しています。
ミニリスタの震度6強被災保険金の支払事由および支払保険金の額はざっくりと書くと次のとおりです。
 支払事由:震度6強以上の地震が発生した場合
 支払保険金の額:5万円
一方、地震に備えるEQuick保険の支払事由および支払保険金の額は次のとおりです。
 支払事由:震度6弱以上の地震が発生した場合
 支払保険金の額:プラン毎に震度に応じた固定額
いずれの商品も、支払事由が実際に損害が発生したことではなく一定の震度以上の地震が発生したこととしていること、保険金は実損額ではなくあらかじめ定めた固定の額としていることが共通です。
 
若干の違いがあるのは保険金請求の部分です。
ミニリスタは、一般的な保険と同様に被保険者が保険金請求手続きをする必要があります。
一方、地震に備えるEQuick保険は、被保険者が保険金請求手続きをすることなく保険金が支払われることになっています。しかも、被保険者が事故通知すらする必要もなく、保険会社から地震後にメールで連絡がきて、それに必要な情報を回答するだけで保険金が支払われるとのことです。
この点に関しては、私はこれに類似する保険は知りません。
 
確かに新規性はあるけど、保険金額は最大で50万円と東京海上日動ほどの大手社がやるにはずいぶんと小粒な商品です。同社の収益に対するインパクトはほとんどないでしょう。
しかも、ネットでのみ販売するとのことなので、既存代理店のドアノック商品としての用途にも使えなさそうです。
寧ろ、少額短期事業者が扱う方がしっくりきます。
どういう目的で東京海上日動が開発したのか興味があります。