金融庁は、2025年12月17日に「令和7年改正保険業法(1年以内施行)に係る「保険会社向けの総合的な監督指針」等の一部改正(案)の公表について」にて、保険会社向けの総合的な監督指針等の改正案を公表しました。
改正の概要
令和7年5月30日に成立した「保険業法の一部を改正する法律」(令和7年法律第54号。公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行。)に関し、今般、保険業法施行規則等の規定が整備されることに併せて、「保険会社向けの総合的な監督指針」等についても所要の整備を行うものです。
主な改正の内容は以下のとおりです。
(1)特定大規模乗合保険募集人に対する体制整備義務の強化関係(保険募集の業務関連)
(2)特定大規模乗合損害保険代理店に対する体制整備義務の強化関係(兼業業務関連)
(3)保険会社等に対する体制整備義務の強化関係
(4)保険会社等による保険契約者等への過度な便宜供与の禁止関係
(5)保険仲立人の活用促進に向けた対応等関係
「特定大規模乗合保険募集人」とは、「特定大規模乗合生命保険募集人」および「特定大規模乗合損害保険代理店」のことです。
なお、同日に本件以外の理由で監督指針の改正(案)が出されています。
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特別利益提供の対象の追加
特別利益提供の対象に追加された保険契約者等と密接な関係を有する者に関して、Ⅱ-4 業務の適切性 Ⅱ-4-2 保険募集管理態勢 Ⅱ-4-2-2 保険契約の募集上の留意点(8)法第300条第1項第5号関係① が次のとおり改定されます。
① 保険会社又は保険募集人が、保険契約の締結又は保険募集に関し、保険契約者若しくは被保険者又はこれらの者と内閣府令で定める密接な関係を有する者(以下、Ⅱ-4-2-2(8)において「保険契約者等」という。)(注1)との間で、取引等を行う場合においては、以下のような点に留意して、「特別利益の提供」に該当しないものとなっているか。
(注1) 取引等の相手方が、保険契約者等に該当しない場合であっても、規則第234条第1項第1号に該当するものではないか、留意する必要がある。
ア.物品の購入、役務の提供その他の取引(注2)に関し、以下のような点から、取引上の社会通念に照らし相当であると認められないものとなっていないか。
(ア)保険会社又は保険募集人において、保険契約の締結や、保険契約数又は保険引受シェアの調整の前提として、当該取引を行う又は当該取引の内容を決定することとされていないか(注3)、(注4)。
(イ)当該取引が、保険会社又は保険募集人の事業運営において必要性のないもの又は事業運営上の必要性に照らし過大なものとなっていないか。
(ウ)当該取引における、価格等の取引条件が、一般的な取引条件と比較し、著しく不合理なものとなっていないか。
(エ)当該取引が、保険契約者間の公平性を著しく阻害するものとなっていないか。
(注2) ここでいう取引とは、保険契約に付帯されるサービス以外のものであって、売買その他保険契約者等との間で対価を伴い行われるものをいう。
なお、取引の性質上、本来は保険会社又は保険募集人において対価を得て行われるものであるにも関わらず、対価を得ずに行われる場合、当該対価の免除が下記イ.「その他特別利益の提供」に該当するおそれがあることに留意する必要がある。
(注3) なお、例えば、事故防止・損害抑制に係るサービスについては、保険契約の締結や、保険契約数又は保険引受シェアの調整の前提として提供されることをもって、直ちに取引上の社会通念に照らして不相当と判断されるものではない。
(注4) 保険会社又は保険募集人において、保険契約の締結や、保険契約数又は保険引受シェアの調整の前提として、当該取引の内容を決定する場合とは、例えば、保険募集人が、特定の保険契約への加入を条件に、保険契約者等に販売する車両価格を値引くなどの行為が該当する。
イ.上記取引に該当しない、各種のサービスや物品の提供に関し、以下のような点から、「その他特別利益の提供」に該当しないものとなっているか。
(ア)当該サービス等の経済的価値及び内容が、社会相当性を超えるものとなっていないか。
(イ)当該サービス等が、換金性の程度と使途の範囲等に照らして、実質的に保険料の割引・割戻しに該当するものとなっていないか。
(ウ)当該サービス等の提供が、保険契約者間の公平性を著しく阻害するものとなっていないか。
なお、保険会社は、当該取引やサービス等の提供を通じ、他業禁止に反する行為を行っていないかについても留意する。
(注5) 保険会社又は保険募集人が、保険契約者又は被保険者に対し、保険契約の締結によりポイントを付与し、当該ポイントに応じた生活関連の割引サービス等を提供している例があるが、その際、ポイントに応じてキャッシュバックを行うことは、保険料の割引・割戻しに該当し、法第4条第2項各号に掲げる書類に基づいて行う場合を除き、禁止されていることに留意する。
損保業界であった不祥事の保険料調整行為と保険金不正請求の根底にあった過度な便宜供与を防止しようという意図が見えます。
兼業特定保険募集人への利益供与等の管理
Ⅱ-4 業務の適切性 Ⅱ-4-6 顧客の利益の保護のための体制整備 の下に、次の項目が新設されます。
- Ⅱ-4-6-3 兼業特定保険募集人に関する措置(顧客の利益の保護のための体制整備関係)(規則第53条の14の2関係)
- Ⅱ-4-6-4 保険持株会社による兼業特定保険募集人に関する措置(規則第210条の6の7関係)
この追加に伴って、現行の Ⅱ-4-6-3 監督手法・対応 は、項番が繰り下げられて、Ⅱ-4-6-5 になります。
Ⅱ-4-6-3 兼業特定保険募集人に関する措置(顧客の利益の保護のための体制整備関係)(規則第53条の14の2関係)
(1) 意義
損害保険会社は、法100条の2の2第1項に規定する兼業特定保険募集人に関しては、上記Ⅱ-4-6-1及びⅡ-4-6-2にかかわらず、兼業特定保険募集人と損害保険会社の関係性等を踏まえた体制整備を行う必要がある。
この観点から、規則第53条の14の2に基づき、修理費の不正な見積りによる過大な保険金の支払い等により、対象保険募集人が行う保険関連業務に係る顧客(対象保険募集人にあっては、当該損害保険会社から委託を受けた業務に係る顧客に限る。)の利益が不当に害されることを防止するため、以下の措置を講じる必要がある。
(2) 主な着眼点
① 対象業務の確認等
対象保険募集人が規則第53条の14の3に定める業務を行っているかについて、日常的な教育・管理・指導のほか、代理店監査等の機会を通じて定期的に確認し、その結果の関連部門間での共有も含め、適切に管理する態勢を整備しているか。
② 兼業特定保険募集人に関する保険金支払管理態勢の整備保険金の支払に関する業務の公正かつ適切な実施を確保するため、Ⅱ-4-4-3(2)⑧に掲げる措置を講じているか。
③ 対象保険募集人が講じる措置の確認・検証態勢の整備対象保険募集人である特定大規模乗合損害保険代理店が規227条の20及び同第227条の21第1項第1号第6号に基づき講じる措置(「Ⅱ-4-2-15-5兼業特定保険募集人である特定大規模乗合保険募集人が講ずべき態勢整備等(規則第227条の20関係)」も参照)について、日常的な教育・管理・指導のほか、代理店監査等の機会を通じて確認・検証し、課題等が認められる場合には期限を定めて改善を求めるための態勢を整備しているか。
④ 実施方針の策定及びその公表
規則第53条の14の2第1項第3号及び第5号ハにより公表する実施方針の概要については、その趣旨が明確に現れているものとなっているか。
また、公表方法は、例えば、店頭でのポスター掲示やホームページへの掲載など、顧客等に対して十分に伝わる方法となっているか。
⑤ 記録の保存等
規則第53条の14の2第1項第4号及び第5号ニに基づく記録の保存も含め、上記①、②及び③に係る措置の適切性について、事後に検証を行うための態勢を整備しているか。
Ⅱ-4-6-4 保険持株会社による兼業特定保険募集人に関する措置(規則第210条の6の7関係)
保険持株会社は、規則第210条の6の7に基づき、子会社である損害保険会社及び対象保険募集人が行う保険関連業務に係る顧客(対象保険募集人にあっては、当該損害保険会社から委託を受けた業務に係る顧客に限る。)の利益が不当に害されることを防止する必要がある。
この観点から、子会社である損害保険会社におけるⅡ-4-6-3を踏まえた措置に係る体制整備の状況について、定期的な確認や実効性の検証を行うとともに、必要に応じて改善に向けた指導を行うための体制を整備しているか。
また、保険持株会社の取締役及び取締役会等は、Ⅶ-2-2(1)②及び③において、グループ内会社との間での報告態勢の明確化やグループ内会社の事業及びリスクについての十分な理解が求められていることも踏まえ、子会社である損害保険会社におけるⅡ-4-6-3を踏まえた措置の適切性や実効性に係る重要な情報を能動的に入手するための体制を整備しているか。
保険金不正請求を起こしたビッグモーターやその疑義のあったネクステージ、トヨタモビリティ東京、グッドスピードといった自動車関連業が兼業特定保険募集人の代表的なものであり、保険金不正請求の根本的な原因をつぶそうという意図が感じられます。
兼業特定保険募集人に関連する保険金等支払管理態勢
Ⅱ-4-4 顧客保護等 Ⅱ-4-4-3 保険金等支払管理態勢(2)主な着眼点 に、次の⑧が追加されました。
⑧ 兼業特定保険募集人に関する保険金支払管理に係る措置(規則第53条の14の2関係)
損害保険会社は、上記①から⑦に掲げる措置に加えて、当該損害保険会社又は当該損害保険会社を所属保険会社等とする兼業特定保険募集人(以下「対象保険募集人」という。)が行う保険関連業務に係る顧客(対象保険募集人にあっては、当該損害保険会社から委託を受けた業務に係る顧客に限る。)の利益が不当に害されることを防止する観点から、以下の措置を講じているか。
ア.例えば、本社の支払管理部門を担当する役員として、営業部門を担当する役員とは別の者を設置すること、支払管理部門及び支払部門が実施する保険金支払に関連する業務については、その指揮命令に基づくものに専念させること、支社(支部)・支店における支払管理業務及び支払業務に対しても本社の支払管理部門の牽制を働かせることなどにより、保険金の支払に関する業務の公正かつ適切な実施を確保する体制を整備すること。なお、不正請求疑義に関する情報については、支払管理部門及び支払部門と営業部門の間も含め、関連部門間で適切な情報共有がされる体制を構築すること。
イ.対象保険募集人が特定大規模乗合損害保険代理店であって、「Ⅱ-4-6-3(2)③兼業業務の監視態勢整備」の結果等により、対象保険募集人である特定大規模乗合損害保険代理店が規則第227条の20及び同第227条の21第1項第6号に基づき講じる措置の適切性に疑義が生じた場合には、当該特定大規模乗合損害保険代理店が関与する保険金の支払請求に関しては、例えば以下の内容を含む体制を整備すること。
(ア)不正請求疑義に関する情報や上記の疑義が生じた対象保険募集人である特定大規模乗合損害保険代理店に関する情報の適切な管理及び関連部門間での共有
(イ)損害の確認や損害額の決定に必要十分な知識・技能を有する者の確実な関与
ウ.支払管理部門や関連部門への内部監査体制の整備に当たっては、上記ア.及びイ.の観点が考慮されているか。
これも、同様に保険金不正請求の対策として設けたものと思われます。
体制整備義務への特定大規模乗合保険募集人の追加
Ⅱ-4 業務の適切性 Ⅱ-4-2 保険募集管理態勢 Ⅱ-4-2-9 保険募集人の体制整備義務(法第294条の3関係)に、次の(9)が新設されました。
(9) 保険募集人は、規則第215条の3又は同第227条の16に定める要件を満たす場合には、それぞれ特定大規模乗合生命保険募集人又は特定大規模乗合損害保険代理店に該当することとなる。
これを踏まえ、保険募集人(特に法第303条に規定する特定保険募集人)は、自社が特定大規模乗合生命保険募集人又は特定大規模乗合損害保険代理店に該当するか否かを事業年度毎に確認するとともに、該当する場合には、「Ⅱ-4-2-15特定大規模乗合生命保険募集人及び特定大規模乗合損害保険代理店に対する保険募集の委託」に掲げる措置を講じているか(注)。
(注) 特定大規模乗合生命保険募集人又は特定大規模乗合損害保険代理店に対する体制整備義務の履行を免れることを目的とした不適切な行為を行わないといった観点にも留意する。
特定大規模乗合保険募集人への規制
Ⅱ-4 業務の適切性 Ⅱ-4-2 保険募集管理態勢 の下に、Ⅱ-4-2-15 特定大規模乗合生命保険募集人及び特定大規模乗合損害保険代理店に対する保険募集の委託 が新設され、更に、その下に、次の項目が設けられました。
- Ⅱ-4-2-15-1 特定大規模乗合生命保険募集人及び特定大規模乗合損害保険代理店に対する保険募集の委託・管理
- Ⅱ-4-2-15-2 特定大規模乗合保険募集人の保険募集指針
- Ⅱ-4-2-15-3 特定大規模乗合保険募集人の保険募集に係る法令等遵守責任者等
- Ⅱ-4-2-15-4 特定大規模乗合保険募集人が講ずべきその他の態勢整備等
- Ⅱ-4-2-15-5 兼業特定保険募集人である特定大規模乗合損害保険代理店が講ずべき態勢整備等(規則第227条の20関係)
また、Ⅱ-4-2-16 兼業特定保険募集人における態勢整備等 も新設されました。
Ⅱ-4-2-15-1 特定大規模乗合生命保険募集人及び特定大規模乗合損害保険代理店に対する保険募集の委託・管理
(1) 特定大規模乗合生命保険募集人及び特定大規模乗合損害保険代理店(以下「特定大規模乗合保険募集人」という。)に対して保険募集の委託を行うにあたり、保険会社において、その業務の健全かつ適切な運営及び保険募集の公正を確保する観点から、以下の措置が講じられているか。
① 特定大規模乗合保険募集人に該当する旨は、新たに該当することとなったとき又は特定大規模乗合保険募集人が新たに所属保険会社等を有することとなったときに、特定大規模乗合保険募集人から保険会社に対して通知されるため、当該通知を受けた場合には適切に対応すること。
特に、当該通知は初年度のみになされることを踏まえ、特定大規模乗合保険募集人に該当する保険代理店を適切に教育・管理・指導するとともに、毎年その状況を確認し、特定大規模乗合保険募集人に該当しなくなったことが判明した場合には、その理由や背景等に疑義がないか(不適切な行為に起因するものではないか等)を確認すること。
また、二以上の所属生命保険会社等又は所属損害保険会社等から受領した手数料、報酬、その他の対価の額の総額(以下「手数料等の総額」という。)が規則第215条の3第1項及び第2項又は規則第227条の16第1項及び第2項に定める額である20億円に満たない事業年度(以下「基準未達事業年度」という。)の翌事業年度及び翌々事業年度(以下「翌二事業年度」という。)の間においても、規則第215条の3第3項又は規則第227条の16第3項に基づき、以下ア.及びイ.の区分に従い、特定大規模乗合保険募集人として取り扱うこと。
ア.基準未達事業年度の前事業年度の手数料等の総額が20億円以上であり、基準未達事業年度に二以上の所属保険会社等(特定大規模乗合生命保険募集人の場合は所属生命保険会社等、特定大規模乗合損害保険代理店の場合は所属損害保険会社等に限る。以下①において同じ。)から受け取る手数料等の総額が10億円以上20億円未満である場合は、当該基準未達事業年度の翌事業年度
イ.基準未達事業年度の前事業年度の手数料等の総額が20億円以上であり、基準未達事業年度及びその翌事業年度に二以上の所属保険会社等から受け取る手数料等の総額がそれぞれ10億円以上20億円未満である場合は、翌二事業年度までの間
② 特定大規模乗合保険募集人への委託に関して、規則第53条の13に基づき以下の内容を含む方針を定め、当該方針に沿った対応を実施すること。また、当該方針については、定期的に検証を行い、必要に応じた見直しを行うこと。
ア.特定大規模乗合保険募集人への委託の考え方
イ.特定大規模乗合保険募集人に対する教育・管理・指導や代理店監査等の実施方法・頻度等に関する考え方(注)
(注) 特定大規模乗合保険募集人における法令等遵守態勢(法令等遵守責任者や統括責任者の配置状況を含む。)や法令等遵守状況の定期的な検証方法のほか、法令等遵守に不備が認められた場合の対応方針及び具体的な対応方法を含む。また、特定大規模乗合保険募集人において顧客の適切な商品選択の機会を阻害するおそれがあり、適切な改善が図られないと見込まれる場合の対応方針及び具体的な対応方法も含む。
ウ.特定大規模乗合保険募集人に対する便宜供与に関して、Ⅱ-4-2-12(1)①を踏まえて講じる措置の内容
エ.特定大規模乗合保険募集人への委託にあたって、法令等遵守責任者や統括責任者に求める要件
③ 規則第53条の13の2に基づき、特定大規模乗合保険募集人における保険業法その他保険募集に関する法令等(法令又は法令に基づく行政官庁の処分をいう。)の遵守状況を検証するため、管理責任者を選任するとともに、管理責任者がその業務を適切に遂行できるよう、必要に応じて適切に人員の配置を行うこと。
なお、管理責任者には、特定大規模乗合保険募集人に設置が義務付けられる統括責任者を主たる相手方として特定大規模乗合保険募集人の法令等遵守態勢(法令等遵守責任者や統括責任者の配置状況を含む。)や法令等遵守状況を確認・検証し、保険会社による教育・管理・指導の実効性を向上させることが求められる。この観点からは、管理責任者は法令等や保険契約に関する知識を有するのみならず、コンプライアンス部門や監査部門での業務や代理店監査等に従事した経験を有することが望ましい。
④ 上記②イにより定めた方針に沿って、特定大規模乗合保険募集人における法令等遵守態勢や法令等遵守状況について、適切な頻度により定期的に検証を行い、不備が認められる場合には是正を求めること。
⑤ 保険会社による特定大規模乗合保険募集人の業務運営との関連性が認められる費用の負担や代理店手数料の設定について、「Ⅱ-4-2-12保険代理店等に対する便宜供与」及び「Ⅱ-4-2-14代理店手数料の算出方法」を踏まえたものであるかの検証を行うこと。
⑥ 規則第215条の4第1項第4号及び規則第227条の21第1項1号に基づき特定大規模乗合保険募集人が定める保険募集指針の内容を確認し、当該保険募集指針に沿った対応がなされていない場合には、改善を促すこと。
(2) 監督手法・対応
監督当局は、上記(1)に係る取組状況について、必要に応じて法第128条に基づき報告を求めるとともに、重大な問題があると認められる場合には、法第132条又は第133条に基づき行政処分を行うものとする。
Ⅱ-4-2-15-2 特定大規模乗合保険募集人の保険募集指針
規則第215条の4第1項第4号及び規則第227条の21第1項1号に基づき特定大規模乗合保険募集人が定める保険募集指針には、以下の(1)から(3)に掲げるもののほか、保険募集の公正の確保に関する事項が定められているか。
また、保険募集指針の内容について、顧客に周知するため、保険募集指針の書面による交付又は説明、店頭掲示、インターネットホームページの活用等の必要な措置が講じられているか。
さらに、当該指針については、定期的に検証を行い、必要に応じた見直しが行われているか。
(1) 法第294条第3項に基づき、顧客に対し、保険募集を行う保険契約の引受保険会社の商号や名称を明示すること。
(2) 保険契約の締結に当たり顧客が自主的な判断を行うために必要と認められる情報として、法第294条第1項に基づき、保険契約の内容、その他保険契約者等の参考となるべき情報を提供し、わかりやすく説明すること。
(3) 特定大規模乗合保険募集人における苦情・相談の受付先を明示するとともに、顧客からの苦情・相談に適切に対応する等契約締結後においても必要に応じて適切な顧客対応を行うこと。
Ⅱ-4-2-15-3 特定大規模乗合保険募集人の保険募集に係る法令等遵守責任者等
(1) 法令等遵守責任者
特定大規模乗合保険募集人は、保険募集の業務を行う営業所又は事務所ごとに法令等遵守責任者を設置しているか(注)。
なお、法令等遵守責任者には、保険募集の業務を行う役員又は使用人に対し、これらの者が法令等を遵守して保険募集の業務を実施するため必要な助言又は指導を行うことができるように、法令や保険契約に関する知識等を有する人材が選任されているか。
また、法令等遵守責任者は、上記の助言又は指導を的確に実施するため、統括責任者による指揮の下、自らが担当する営業所又は事務所の保険募集の実態(保険会社等からの便宜供与の状況等を含む。)を把握し、その適切性について定期的な検証(便宜供与による比較推奨販売への影響の有無に係る確認・検証等を含む。)を行い、その結果を統括責任者に報告するとともに、不適切と認められる場合には、改善に向けて適切な措置を講じているか。
さらに、法令等遵守責任者は、自らが担当する営業所又は事務所の法令等遵守の状況等について、保険会社等又は当局の求めに応じて、適切かつ十分な説明を行っているか。
(注) 規則第215条の4第1号ニ及び規則第227条の17第1項第4号にいう「法令等遵守責任者としての業務の実施に支障を及ぼすおそれがない場合」に該当するか否かは、例えば、法令等遵守責任者が担当する営業所又は事務所の数や規模、当該営業所又は事務所における契約件数、当該営業所又は事務所に所属する保険募集人の数、営業所又は事務所間の地理的近接性等の要素も踏まえつつ、法令等遵守責任者としての業務が実効的に実施可能であり、役割や職責が十分に果たされているかに照らして判断する。
(2) 統括責任者
特定大規模乗合保険募集人は、営業部門からの独立性を確保した上で統括責任者を設置するとともに、統括責任者がその業務を適切に遂行できるよう、必要な人員の配置を含めた体制整備を行っているか。
なお、統括責任者には、法令等遵守責任者を指揮するとともに、役員又は使用人に対し、これらの者が法令等を遵守して保険募集の業務を実施するため必要な助言又は指導を行うことができるように、法令や保険契約に関する知識等を有し、業務を適切に実施することができる管理的又は監督的地位にある人材が選任されているか(注)。
また、統括責任者は、上記の助言又は指導を的確に実施するため、法令等遵守責任者等を通じて、自社の保険募集の実態(保険会社等からの便宜供与の状況等を含む。)や法令等遵守責任者の業務の内容を把握し、その適切性について定期的な検証(便宜供与による自社の比較推奨販売への影響の有無に係る確認・検証等を含む。)を行うとともに、不適切と認められる場合には、改善に向けて適切な措置を講じているか。
さらに、統括責任者は、自社の法令等遵守の状況等について、取締役会等の経営陣へ定期的に報告しているか。また、保険会社等又は当局の求めに応じて、適切かつ十分な説明を行っているか。
(注) 規則第215条の4第1項第2号ハ及び第227条の18第1項第3号においては、保険募集に現に従事している者や特定大規模乗合保険募集人の法令等遵守責任者ではないことが求められているが、その職務の性質を踏まえれば、これに加えてコンプライアンス部門や監査部門での業務に従事した経験を有することが望ましい。
Ⅱ-4-2-15-4 特定大規模乗合保険募集人が講ずべきその他の態勢整備等
(1) 所属保険会社等への通知
規則第215条の3又は同第227条の16に定める要件を満たし、新たに特定大規模乗合保険募集人に該当することとなった保険募集人は、遅滞なく所属保険会社等にその旨を通知しているか。
また、新たに所属保険会社等を有することとなった場合にも、自らが特定大規模乗合保険募集人である旨を、遅滞なく所属保険会社等に通知しているか。
併せて、所属保険会社等の求めに応じて、Ⅱ-4-2-15-3及びⅡ-4-2-15-4において特定大規模乗合保険募集人に求められる態勢整備等の状況(その予定も含む)や自社における規則第53条の14の3に定める業務の実施状況(実施の予定も含む)その他参考となるべき情報を提供しているか。
(2) 苦情処理関係
特定大規模乗合保険募集人は、規則第215条の4第1項第3号又は規則第227条の19に規定する措置を適切に講じているか。
(3) 内部監査関係
特定大規模乗合保険募集人は、規則第215条の4第1項第5号又は規則第227条の21第1項第2号に規定する措置に関し、以下の点に留意しつつ、保険募集の業務について内部監査を定期的に行うための責任者の設置、社内規則等の整備その他の体制の整備を行っているか。
① 経営陣
ア.特定大規模乗合保険募集人は、その規模の大きさに加えて、二以上の所属保険会社等を有し、複数の保険会社等の保険商品を取り扱うことに伴い、適正な保険募集の管理を行うことが特に求められる。代表取締役及び取締役会等は、このような特定大規模乗合保険募集人の特性上、内部監査が極めて重要であることを認識し、内部監査に係る責任者がその業務を適切に遂行するために必要な人員の確保・配置を行っているか。
イ.代表取締役及び取締役会等は、内部監査部門(内部監査を定期的に行うための責任者の指示を受けて内部監査に従事する者を含む。以下Ⅱ-4-2-15-4において同じ。)の独立性を確保し、内部監査が確実に実施されるための態勢を構築しているか(内部監査の進捗が恒常的に遅延する等、改善を要すると見込まれる場合には必要な対応策を講じることや、代表取締役及び取締役会等による検討状況の記録や証跡の保存を行うことを含む。)。
ウ.代表取締役及び取締役会等は、被監査部門におけるリスク管理状況等を踏まえた上で、内部監査計画を承認するとともに、内部監査の結果を踏まえて適切な措置を講じているか。
エ.代表取締役及び取締役会等は、内部監査態勢に関し、所属保険会社等による代理店監査や当局検査等で指摘された問題点を踏まえ、実効性ある態勢整備に積極的に取り組んでいるか。
② 内部監査部門
ア.内部監査部門は、被監査部門に対して十分牽制機能が働くよう独立し、かつ、実効性ある内部監査が実施できる態勢となっているか。
イ.内部監査部門は、被監査部門におけるリスク管理状況等を把握した上で、リスクの種類・程度に応じて、頻度・深度に配慮した効率的かつ実効性ある内部監査計画を立案し、取締役会等の経営陣の承認を得た上で、当該内部監査計画に基づき内部監査を確実に実施しているか。
ウ.内部監査の実施に当たっては、当該内部監査計画に基づく内部監査の進捗状況のほか、内部監査で指摘した重要な事項について遅滞なく代表取締役及び取締役会等に報告しているか。
エ.内部監査部門は、内部監査報告書で指摘した問題点に関して、被監査部門に対し改善策の策定を行わせるとともに、被監査部門等による改善への取組状況を適切に管理し、その記録や証跡等を保存しているか。
オ.内部監査部門は、効率的かつ実効性ある内部監査の実施に向けて、必要に応じて、外部の専門家や保険会社等に意見を求めるとともに、業務運営に反映させているか。
③ 監査役監査
監査役監査を行う場合にあっては、取締役会等(取締役会非設置会社にあっては、代表取締役)による内部監査態勢の構築状況についても業務監査の対象としているか。
(4) 内部通報関係
特定大規模乗合保険募集人は、規則第215条の4第1項第6号又は規則第227条の21第1項第3号に規定する措置に関し、役員又は使用人による保険募集の業務に関する通報及び相談(以下「内部通報等」という。)に応じ、適切に対応するための責任者の設置、社内規則等の整備等を行っているか。
さらに、体制整備の状況については、定期的な検証及び見直しが行われているか。
なお、体制整備にあたっては、内部通報等がなされた事案に係る利害関係者の排除や責任者の独立性の確保等により、内部通報等に対応する業務の独立性・中立性・公正性を確保することや、内部通報等を行った者を特定させる情報の共有は必要最小限にする等により、内部通報等を行った者の探索や不利益な取扱いを防止すること等にも留意する。
(5) 不祥事件の概要等の通知
特定大規模乗合保険募集人は、規則第215条の4第1項第7号又は規則第227条の21第1項第4号に基づき、所属保険会社等が特定大規模乗合保険募集人に委託する業務において発生した不祥事件について、当該所属保険会社等が不祥事件の届出を行ったことを知ったときは、必要に応じて当該所属保険会社等の協力を得つつ、自らの責任において不祥事件の概要を作成し、遅滞なく、不祥事件の届出を行った所属保険会社以外の所属保険会社等(以下「非届出所属保険会社等」という。)の全てに対して通知するとともに、非届出所属保険会社等による照会や調査に適切かつ十分に協力しているか。
さらに、非届出所属保険会社等が当該特定大規模乗合保険募集人に委託する業務において、不祥事件を惹起した者が当該不祥事件と類似の不祥事件を惹起した疑いが認められる場合(注)には、当該非届出所属保険会社等に対し、遅滞なく、上記の概要と併せて不祥事件を惹起した者の氏名及び役職名その他参考となるべき事項を通知するとともに、非届出所属保険会社等による照会や調査に適切かつ十分に協力しているか。
(注) 類似の不祥事件を惹起した疑いの有無については、所属保険会社等の協力も得つつ、組織として適切に検討を実施すること。
なお、上記の「不祥事件を惹起した者の氏名及び役職名その他参考となるべき事項」に係る個人情報等としては、不祥事件を惹起した者に係る個人情報に限定される(注)ことを踏まえ、通知の内容に当該不祥事件を惹起した者以外の個人情報等が含まれていないか、通知の送付先に誤りがないか等を複数名で確認するなどにより、個人情報等の漏えい等の個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)への違反又は抵触が生じないよう、十分に留意する。
(注) 例えば、当該不祥事件の被害者や当該不祥事件を惹起した者の関係者等の氏名等は含まれない。なお、上記の記載はあくまでも個人情報の保護に関する法律にいう「法令に基づく場合」として、規則第215条の4第1項第7号又は規則第227条の21第1項第4号に基づき非届出所属保険会社等への共有が認められる場合を示すものであり、その他の根拠法令に基づき非届出所属保険会社等への共有が認められる場合があることを踏まえ、適法かつ必要な範囲での情報共有が図られるよう、併せて留意する。
また、上記の通知に係る期間・頻度に関しては、例えば、金銭の費消・流用事案(その疑いのある事案を含む)等、顧客の財産に被害が生じ得る事案や犯罪行為のおそれがある事案等、不祥事件の内容や性質によっては被害の拡大防止の観点から非届出所属保険会社等による迅速な伏在調査の実施が必要となる場合もあることから、事案の内容に応じて可能な限り迅速かつ適切な頻度で行うよう努めることとする。
(6) 特定大規模乗合保険募集人に係る要件の確認
特定大規模乗合保険募集人は、自身が規則第215条の3又は同第227条の16に定める要件を満たすか否かを事業年度毎に確認するとともに、その結果を所属保険会社等に対して共有しているか(注)。
(注) なお、手数料等の総額が規則第215条の3第1項及び第2項又は規則第227条の16第1項及び第2項に定める額に満たない事業年度の翌二事業年度の間においても、規則第215条の3第3項又は規則第227条の16第3項に基づき、手数料等の総額に応じて、Ⅱ-4-2-15-1(1)①ア.及びイ.に掲げる区分に従い、特定大規模乗合保険募集人としての措置を講じる必要があることに留意する。
また、要件の確認や、要件に該当する場合の態勢整備に当たっては、特定大規模乗合保険募集人に対する体制整備義務の履行を免れることを目的とした不適切な行為を行わないといった観点にも留意する。
(7) 特定大規模乗合損害保険代理店が講ずべき措置
特定大規模乗合損害保険代理店は、自身の行う業務が規則第53条の14の3に定める業務に該当するかを定期的に確認するとともに、該当する場合には、「Ⅱ-4-2-15-5 兼業特定保険募集人である特定大規模乗合損害保険代理店が講ずべき態勢整備等(規則第227条の20関係)」に掲げる措置を講じるための体制を整備しているか。
Ⅱ-4-2-15-5 兼業特定保険募集人である特定大規模乗合損害保険代理店が講ずべき態勢整備等(規則第227条の20関係)
兼業特定保険募集人である特定大規模乗合損害保険代理店は、規則第227条の20に基づき、当該特定大規模乗合損害保険代理店による自動車修理費等の過大な見積りに基づく保険金不正請求等のように、法第100条の2の2第2項にいう保険募集の業務以外の業務(その所属保険会社等に対する保険金の支払の請求に関するものに限る。以下「対象業務」という。)が、保険金の支払いに不当な影響を及ぼすことがないよう、以下の点も踏まえた態勢を整備しているか。
(1) 対象業務がその保険会社による保険金の支払に不当な影響を及ぼさないよう、その確認・検証を行う責任者(以下、Ⅱ-4-2-15-5において「当該責任者」という。)を設置するとともに、当該責任者の関与の下、以下の観点も含め適切な措置を講じるための体制を整備しているか。
また、上記の体制整備に当たっては、当該責任者がその業務を適切に遂行できるよう、必要な人員の配置を行っているか。
① 自動車の損傷状況や修理内容など、見積額の適切性に係る証跡を適切かつ十分に記録・保存すること。また、当該責任者は、その記録・保存の状況や、修理費等の過大な見積り等の保険金不正請求につながり得る事案がないか、定期的に調査・検証すること。
② 保険会社からの求めに応じて、上記①により記録・保存している証跡を提出し、その内容について適切かつ十分に説明できる体制を整備すること。
(2) 当該責任者が保険金不正請求につながり得る事案を把握した場合には、速やかに保険会社及び取締役会等の経営陣に対して報告を行うとともに、経営陣の適切な指示・関与の下で、以下の観点も含めて適切な措置を講じるための体制を整備しているか。
① 深度ある調査・分析や関係者へのヒアリング等を実施すること。
② 複数回の調査を経ても保険会社との間で見解の相違が存在する場合等には、必要に応じて事案の解明に向けて第三者の関与も含めるなど、透明性・客観性を確保すること。
(3) 規則第227条の20第1項第5号により公表する実施方針の概要については、その趣旨が明確に現れているものとなっているか。
また、公表方法は、例えば、店頭でのポスター掲示やホームページへの掲載など、顧客等に対して十分に伝わる方法となっているか。
(4) 見積額の適切性に係る証跡や(1)①に掲げる定期的な検証に係る記録のほか、(1)及び(2)に掲げる体制整備に係る記録について、規則第227条の20第2項に基づき保存し、その適切性を事後的に検証できる体制を整備しているか。
また、対象業務の全部又は一部を委託する場合であっても、同条に基づく記録の保存も含め、上記(1)及び(2)に係る措置を適切に実施するための外部委託先管理を行う体制を整備しているか。
(5) 対象業務に係る苦情処理体制について、Ⅱ-4-2-15-4(2)と同様の体制を整備しているか。
(6) 対象業務に係る内部監査及び内部通報体制について、それぞれⅡ-4-2-15-4(3)及び(4)と同様の体制を整備しているか。
(7) 上記(1)から(6)に掲げる措置((3)を除く。)に係る社内規則等を策定し、社内に周知しているか。
Ⅱ-4-2-16 兼業特定保険募集人における態勢整備等
保険代理店が、保険会社から支払われる保険金を原資として対価を得る業務を行う場合において、自らの利益を得るために不正な費用を見積り、これによって過大な保険金の支払いが発生する可能性は、兼業特定保険募集人である特定大規模乗合損害保険代理店に限られない。
この観点からは、保険会社から支払われる保険金を原資として対価を得る業務を行う全ての損害保険代理店において、その規模・特性に応じて、「Ⅱ-4-2-15-5 兼業特定保険募集人である特定大規模乗合損害保険代理店が講ずべきその他の体制整備等(規則第227条の20関係)」に準じた態勢整備がなされることが望ましい(注)。
(注) 規模・特性に応じた態勢整備の検討に当たっては、「顧客本位の業務運営に関する原則(特に原則3「利益相反の適切な管理」)を踏まえることも考えられる。
特定大規模乗合保険募集人における不祥事件の伏在調査
Ⅱ-4 業務の適切性 Ⅱ-4-2 保険募集管理態勢 Ⅱ-4-2-1 適正な保険募集管理態勢の確立(4) 特定保険募集人等の教育・管理・指導に、以下の④が新設されました。
④ 特定大規模乗合生命保険募集人及び特定大規模乗合損害保険代理店(以下「特定大規模乗合保険募集人」という。)において発生した不祥事件については、規則第215条の4第1項第7号又は規則第227条の21第1項第4号に基づき、不祥事件の届出を行った所属保険会社等以外の所属保険会社等(以下「非届出所属保険会社等」という。)の全てに対してその概要が通知されるとともに、当該非届出所属保険会社等が当該特定大規模乗合保険募集人に委託する業務において、不祥事件を惹起した者が当該不祥事件と類似の不祥事件を惹起した疑いが認められる場合には、当該非届出所属保険会社等に対して不祥事件を惹起した者の氏名及び役職名その他参考となるべき事項が通知されることを踏まえ、当該特定大規模乗合保険募集人からの通知に基づき、必要に応じて伏在調査等を適切に行っているか。
Ⅲ-2 保険業法等に係る事務処理 Ⅲ-2-16 不祥事件等に対する監督上の対応(3)業務の適切性の検証② 保険募集人に関する不祥事件等届出書の場合 アおよびイに、次の(キ)が追加されました。
(キ)特定大規模乗合保険募集人において発生した不祥事件については、規則第215条の4第1項第7号又は規則第227条の21第1項第4号に基づき、不祥事件の届出を行った所属保険会社等以外の所属保険会社等(以下「非届出所属保険会社等」という)が委託する業務において、不祥事件を惹起した者が当該不祥事件と類似の不祥事件を惹起した疑いが認められる場合には、非届出所属保険会社等に対して不祥事件を惹起した者の氏名及び役職名その他参考となるべき事項を通知する必要があることを踏まえ、伏在調査が確実かつ適切に行われているか(保険会社による必要に応じた伏在調査の実施を含む)。
保険仲立人の不祥事件等に対する監督上の対応
Ⅴ-7 不祥事件等に対する監督上の対応 が新設されました。
Ⅴ-7 不祥事件等に対する監督上の対応
不祥事件等に対する監督上の対応については、以下のとおり取り扱うこととする。
(1) 不祥事件等の発覚の第一報
保険仲立人として登録されている者又はそれらの役員若しくは使用人(以下、Ⅴ-7において「保険仲立人」という。)において不祥事件等が発覚し、第一報があった場合は、以下の点を確認することとする。
なお、保険仲立人から第一報がなく、不祥事件等届出書の提出があった場合にも、同様の取扱いとする。
① 本部等の事務部門、内部監査部門への迅速な報告及び社内規則等に基づく取締役会等への報告を行っているか。
② 刑罰法令に抵触している恐れのある事実については、警察等関係機関等へ通報しているか。
③ 事件とは独立した部署(内部監査部門等)での事件の調査・解明を実施しているか。
(2) 不祥事件等届出書の受理
① 保険仲立人が、規則第220条第4項各号のいずれかに該当する行為を行った場合は、当該保険仲立人から当該保険仲立人の主たる事務所の所在地を管轄する財務局長等宛の不祥事件等届出書を当該財務局等が受理することとする。
なお、当該不祥事件等届出書を受理した財務局等においては、当該不祥事件等届出書の内容及び受理件数について1ヵ月分を取りまとめの上、翌月10日までに保険課宛て報告することとする。
ただし、財務局等において緊急性が認められると判断するときは、随時、保険課宛て報告することとする。
② 不祥事件等届出書の受理にあたっての確認事項は、以下のとおりとする。
ア.規則220条第1項第3号の規定に基づく不祥事件届出書については、保険仲立人が不祥事件の発生を知った日から30日以内に提出するものとするが、当該不祥事件等届出書の受理時においては、法令の規定に基づき届出が適切に行われているかを確認することとする。
イ.保険契約者等の判断に重要な影響を与えるような場合であるにもかかわらず、保険仲立人が公表していない場合には、公表の検討が適切に行われているかを確認することとする。
(3) 業務の適切性の検証
不祥事件と業務の適切性の関係については、以下の着眼点に基づき検証することとし、また、Ⅲ-4-1なお書き①②の要因も踏まえたものとする。
なお、検証にあたっては、保険仲立人の規模や業務の特性、不祥事件の内容等を踏まえるものとする。
① 法人である保険仲立人の不祥事件等届出書の場合
ア.当該事件に役員は関与していないか、組織的な関与は認められないか。また、経営者の責任の明確化が図られているか。
イ.事実関係の真相究明、同様の問題が他の事務所等で生じていないかの確認・検証及び監督者を含めた責任の追及が厳正に行われているか。
ウ.事実関係を踏まえた原因分析により、実効性のある再発防止への取組みが適時適切に行われているか。特に、発生原因が保険仲立人固有の問題である場合は、保険仲立人自身において上記取組みが適時適切に行われているか。
エ.内部牽制機能が適切に発揮されているか。
オ.役員及び使用人に対する教育・管理・指導は十分か。
カ.当該事件の発覚後の対応が適切か。特に、同様又は類似の発生原因により当該保険仲立人の取り扱う他の保険契約等に被害が生じている可能性を踏まえた伏在調査が適切に行われているか。また、必要に応じて関係先への情報共有が適時・適切になされているか。
② 個人である保険仲立人の不祥事件等届出書の場合
ア.事実関係の真相究明、同様の問題が生じていないかの確認・検証及び監督者を含めた責任の追及が厳正に行われているか。
イ.事実関係を踏まえた原因分析により、実効性のある再発防止への取組みが適時適切に行われているか。
ウ.使用人を雇用している場合には、使用人に対する教育・管理・指導は十分か。
エ.当該事件の発覚後の対応が適切か。特に、同様又は類似の発生原因により当該保険仲立人の取り扱う他の保険契約等に被害が生じている可能性を踏まえた伏在調査が適切に行われているか。また、必要に応じて関係先への情報共有が適時・適切になされているか。
(4) 監督上の措置
不祥事件等届出書の提出があった場合には、以下の措置を講じることとする。
① 財務局等においては、事実関係、発生原因分析、改善・対応策等について、規則第220条第4項各号のいずれかに該当する行為を行った保険仲立人に対してヒアリングを実施する。
また、当該保険仲立人における同様の事案の発生状況等ヒアリングの結果も踏まえ、必要に応じて、当該保険仲立人に対して法第305条に基づき報告を求め、さらに、重大な問題があると認められる場合には、法第306条又は第307条に基づき行政処分を行うこととする。
なお、財務局等においては、適宜、金融庁との密接な連携に努めるものとする。
② 財務局等においては、規則第220条第4項各号のいずれかに該当する行為を行った保険仲立人の業務を行う区域が、他の財務局等の管轄区域に及び、当該他の財務局等の管轄区域内での被害等が想定される等、必要性が認められる場合には、当該他の財務局等に情報提供する等、密接な連携に努めるものとする。また、連携を行った場合には、保険課に対して報告を行うこととする。
③ 金融庁においては、規則第220条第4項各号に規定される行為の発生状況等を分析し、同様の事案が全国的に多発している傾向が見られる等、必要性が認められる場合には、財務局等に対して情報提供することとする。
(5) 標準処理期間
不祥事件等届出書に係る法第305条に基づく報告徴求や法第306条又は第307条に基づく行政処分を行う場合は、当該不祥事件等届出書(第305条に基づく報告徴求を行った場合は、当該報告書)の受理の日から原則として概ね1ヵ月(財務局等が金融庁への連携や保険仲立人に対して直接ヒアリングを行う場合は概ね2ヵ月)以内を目途に行うこととする。