J.D.Power自動車保険顧客満足度調査結果

J.D.パワー アジア・パシフィックから、日本における自動車保険の満足度調査結果が公開されています。
去年は1ファイルで公開していたのですが、今年は2つに分けられています。
 
「2009年 日本自動車保険顧客満足度調査」
http://www.jdpower.co.jp/press/pdf2009/2009JapanAIS_Non-Claim.pdf
(J.D.パワー アジア・パシフィック 2009.8.11)
代理店系損保とダイレクト系損保という切り口で総合評価を見てみると以下のとおりです。
 代理店系損保平均:588ポイント
 ダイレクト系損保平均:619ポイント
ちなみに去年の結果は以下のとおりでした。
 代理店系損保平均:587ポイント
 ダイレクト系損保平均:638ポイント
傾向としては、去年に引き続きダイレクト系損保の方が高ポイントとなっています。
J.D.パワーの総評に以下の記載があります。今更感がしないでもないですが、逆に自身の感覚とずれがないことが、調査の信憑性を増している感じがします。

代理店系顧客の満足度に最も大きな影響を与える領域は「契約チャネル」である。また、ロイヤルティの高い顧客と低い顧客で満足度の格差が最も大きい領域も「契約チャネル」であった。つまり、保険代理店の対応次第で満足度やロイヤルティが大きく左右されるといえる。契約手続時に「ニーズや要望の聞き取り」「補償内容についてメリットだけではなくデメリットも説明する姿勢」などの対応があった場合、満足度が高くなるという傾向が認められた。
一方、ダイレクト系においては、回答者の70%が「支払い保険料の安さ」を保険会社選定理由に挙げており、“安さ”が大きな選定要因となっている。しかし、満足度の観点では「契約手続」「商品・サービス」が「価格」と同等の影響度を持っており、必ずしも“安さ”だけで満足度が左右されるわけではないことがわかった。ランキング上位の会社では、支払い保険料がダイレクト系平均より高いにもかかわらず、顧客への説明や提案、契約後のフォローアップなど対応力の高さから高い満足度、ロイヤルティを得ているという傾向がある。

代理店系損保,ダイレクト系損保のそれぞれについて、上位3位を見てみると以下のようになっています。
代理店系損保
 1位 AIU 613 (←AIU 624)
 2位 東京海上日動 601 (←東京海上日動 599)
 3位 ニッセイ同和 599 (←全労済 593)
ダイレクト系損保
 1位 ソニー損保 640 (←ソニー損保 688)
 2位 三井ダイレクト 624 (←チューリッヒ 666)
 3位 チューリッヒ 623 (←三井ダイレクト 616)
右側のカッコ内は去年の結果です。
ニッセイ同和は去年に比べるとかなり順位を上げており、逆に全労済はかなり順位を下げています。
チューリッヒはずるずると順位を下げています。ダイレクト系は保険料のファクターが大きいため、去年値上げした分が不利な要因として働いているのかもしれません。
 
「2009年 日本自動車保険事故対応満足度調査」
http://www.jdpower.co.jp/press/pdf2009/2009JapanAIS_Claim.pdf
(J.D.パワー アジア・パシフィック 2009.8.11)
こちらも、代理店系損保とダイレクト系損保という切り口で総合評価がつけられています。
 代理店系損保平均:655ポイント
 ダイレクト系損保平均:657ポイント
ちなみに去年の結果は以下のとおりでした。
 代理店系損保平均:653ポイント
 ダイレクト系損保平均:675ポイント
去年の結果に比べると、両者の差は大幅に縮まり、ほぼ同じと考えても良さそうです。
J.D.パワーの総評に以下の記載があります。保険金支払そのものだけでなく、タイミングよく納得のいく説明をしているかが満足度に影響を及ぼしていると分析しています。言われてみれば当然のことで、自分が当事者になった場合のことを考えればそうだろうなと思えます。

当調査では、事故後の契約状況を聴取しているが、事故後に保険会社を切替えた人(切替顧客)は、回答者全体の10%を占めており、そのなかの28%の人が「保険会社の事故対応がきっかけ」と回答した。また、現在も同じ保険会社で契約している人(継続顧客)の満足度は、切替顧客の満足度を大きく上回ることがわかった(前者は682 ポイント、後者は536 ポイント)。つまり、事故対応への不満が顧客流出のきっかけであることは明らかである。
継続顧客と切替顧客で満足度の格差が最も大きい領域は「経過報告・事故解決」であった。この満足度の差を生んでいる主な要因は、「迅速な対応」や「報告のわかりやすさ」など、担当者の対応である。継続顧客は、連絡や報告などの基本対応に加え、「次回の等級の説明」や「次回更新時の契約内容に対するアドバイス」など付加的なサービスを受けた比率が高い。

個別に、上位6位を見てみると以下のようになっています。
 1位 AIU 701 (←ソニー損保 708)
 2位 ソニー損保 690 (←富士火災 696)
 3位 富士火災 676 (←チューリッヒ 694)
 4位 東京海上日動 671 (←東京海上日動 665)
 5位 三井住友海上 665 (←三井住友海上 665)
 6位 三井ダイレクト 664 (←日本興亜損保 664)
AIUがいきなりランク外から1位になっているのは少々不可思議です。また、ここではチューリッヒが大幅に順位を落としています。
 
実は、同じタイトルで去年の7月30日のブログに、去年の結果についてのコメントを書いています。