日本興亜損保vsサウスイースタン(第二ラウンド-2)

昨日の日記ではサウスイースタン側からのニュースを取り上げましたが、今日は日本興亜損保側からのニュースがありました。
AIG の話が持ちきりで、サウスイースタンニュースリリースはほとんど注目されなかったようです。
 
日本興亜 米ファンドの経営改善要求 否定的見解示す」
http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200809190007a.nwc
フジサンケイビジネスアイ 2008.9.19)

日本興亜損害保険の兵頭誠社長は18日、損保協会長会見で、同社の筆頭株主である米投資ファンド、サウスイースタン・アセット・マネジメントから経営改善を求められていることについて「従来通り話し合いを続けていく」と語り、ファンド側に理解を求めていく考えを示した。
  (中略)
これに対し兵頭社長は、「『そうかね』というぐらい(の感想)。これを受けてすぐに対応するとかはない」と否定的な見方を示した。日本興亜は12月に新中期経営計画の骨子を公表する予定だが、その中で今後の経営改善策などを打ち出す方針。サウスイースタンは、6月の日本興亜株主総会で兵頭社長の取締役再任に反対した。

表向きには、軽く流しているように見えます。しかし、本当はそんな状況ではないかと思われます。株主総会では、サウスイースタン以外にも兵頭氏の社長就任に反対する株主がいました。目に見える結果を出すか、サウスイースタンの要求をいくらか飲むかいずれかの選択肢をとらざるをえないと思います。少なくとも、サウスイースタンの要求を完全に突っぱねて、収益も改善しない状況のままで4月を迎えたら、今の経営陣にとっておもしろくない事態になるでしょう。
# 個人的にはそれはそれで非常におもしろいのですけど。
 
「これを受けてすぐに対応するとかはない」が嘘ではないなら、本日ニュースリリースで出した↓は偶然なのでしょうか?タイミング的にあまりにもできすぎています。
また、「従来通り話し合いを続けていく」と言っていますが、手ぶらでは話になりません。少なくとも今年度の営業成績では話し合いの材料となるものはないでしょうから、実はこの自己株式取得は、サウスイースタンへの手土産ではないかと思えます。
「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ」
http://www.nipponkoa.co.jp/news/whatsnew/2008/news2008_09_19_jikokabu.pdf
日本興亜損害保険株式会社 ニュースリリース 2008.9.19)
 
現在の中期経営計画「KAKUSHIN(革新・核心・確信)」は、今年度が最終年度です。2006年当時にこの中期経営計画を出したときは、正味収入保険料を7,083億円から7,500億円にすることとしていました。詳しくは2006年のディスクロージャー資料に書かれています。結果は、周知のとおり右肩下がりで昨年度は7千億円を割りました。
来年度からの中期経営計画では、何を出してくるのでしょうか?
 
今年度下期は、両社の攻防が続きそうです。業界再編があるとしたら、AIG 関連と共にここも要チェックです。