自賠責保険統計【平成19年度】
タイトルそのまんまですが、↓の資料が損害保険料率算出機構から公開されていました。
ちなみに損害保険料率算出機構というのは、昔の算定会のことです。今でも、算定会種目の純率はこの組織が算出しています。
「自賠責保険統計【平成19年度】」
http://www.nliro.or.jp/disclosure/toukei/toukei_h19_04.pdf
(損害保険料率算出機構 ニュースリリース&新着情報 2008.9.17)
この資料は68ページにも及ぶもので、結構ボリュームがあります。
とは言え、後半のほとんどの部分が県別の統計データなので、そこは見てもおもしろくありませんけど。
ざっと見て興味がわいたのが、「第3表 自動車損害賠償責任保険 都道府県別統計表<平成19年度>」です。この表は、47都道府県+離島の48区分について、新契約の台数,営業保険料,純保険料と保険金の支払件数,支払保険金が一覧になっています。
ものすごくざっくりですが、これを見ると都道府県別の事故率と損害率の傾向が以下の計算で分かります。
事故率=支払件数/新契約の台数
損害率=支払保険金/純保険料
というわけで、やってみました。その結果は以下のとおりです。
【損害率・ベスト5】
- 岩手 60.03%
- 秋田 62.04%
- 青森 65.24%
- 長野 65.87%
- 島根 69.51%
【事故率・ベスト5】
- 離島 0.87%
- 沖縄 1.66%
- 岩手 1.80%
- 秋田 1.85%
- 島根 1.97%
【損害率・ワースト5】
- 離島 166.52%
- 香川 137.25%
- 福岡 137.06%
- 沖縄 133.69%
- 大阪 132.20%
【事故率・ワースト5】
- 香川 4.11%
- 福岡 3.86%
- 岡山 3.78%
- 佐賀 3.69%
- 大阪 3.61%
全体的には、東北・北陸が低く、関西以西の人口の多い県が高い傾向があります。
興味深いのは、離島と沖縄です。事故率は低いのに損害率が高いです。これは、事故が少ないけど、事故が起こってしまったら支払保険金が大きいということを意味しています。
もしも、任意保険の損害率もこれと同じ傾向だとしたら、沖縄に対して個別料率を使っている商品の場合、沖縄は儲からない地域だということになります。(離島は任意保険では別料率にしていません。)
沖縄に関連する話はコチラ「アドリックの車人(くるまんちゅ)」でもちょっとしています。
ちなみに、平均値は損害率=101.50%,事故率=3.00% です。自賠責と言うのは、ノーロス・ノープロフィットが原則ですが、ほぼそのとおりになっていることが分かります。