共済の2等級ダウン事故の継続契約

自動車保険のノンフリート等級は損保会社の自動車保険だけでなく、自動車共済とも基本的に継承可能です。
そして、ここにも例によって、等級すえおき事故やノーカウント事故の定義の違いが存在します。しかし、自動車共済の場合はそれだけではありません。等級の上限・下限が異なる共済もありますし、カウント事故1件につき3等級ダウンというルールも異なるものもあります。
今回は、共済で2等級ダウンになるケースについて、損保会社で継続した場合にどうなるのかを見ようと思います。
 
全国労働者共済生活協同組合連合会…全労災のマイカー共済(自動車総合補償共済)は、17〜20等級の場合、カウント事故1件につき2等級ダウンです。
いくつかの損保会社のサイトの保険料見積もりで、前契約を全労災・20等級・カウント事故1件という条件にした場合にどうなるのか試してみました。
なお、悪質運転の事故の場合は6等級ダウンのようですが、さすがにこれはシステム対応できないはずです。
 

東京海上日動火災保険株式会社(総合自動車保険

最初の「お見積もり条件確認」画面で以下の問いに“はい”の場合しか見積もりできません。従って、東京海上日動が今回のケースについて、どのように扱っているのかサイトの保険料見積もりからは不明です。

自動車保険」または、「自動車共済」等において、過去1年間に保険金の請求(*2)や、受け取りをしていない。

 

株式会社損害保険ジャパン(個人用自動車総合保険)

保険料見積もりにあたって、前契約の保険会社(含む共済)の指定がありません。従って、損保ジャパンが今回のケースについて、どのように扱っているのかサイトの保険料見積もりからは不明です。
 

三井住友海上火災保険株式会社(クルマの保険)

保険料見積もりにあたって、前契約の保険会社(含む共済)の指定がありません。従って、三井住友海上が今回のケースについて、どのように扱っているのかサイトの保険料見積もりからは不明です。
 

あいおい損害保険株式会社(個人総合自動車保険

最初の「本格見積入力」画面で以下の問いに“はい”とすると見積もりできません。従って、あいおい損保が今回のケースについて、どのように扱っているのかサイトの保険料見積もりからは不明です。

現契約の保険期間中に事故がある

それにしても、見積もりができない理由を一切出さずに、見積もりできない旨だけを表示するなんて極めて不親切な作りです。
 

日本興亜損害保険株式会社(くるまの総合保険)

最初の「条件入力」画面で以下の問いに“いいえ”とすると見積もりできません。従って、日本興亜損保が今回のケースについて、どのように扱っているのかサイトの保険料見積もりからは不明です。

現在、ご加入されている自動車保険で過去1年間無事故ですか?

 

ニッセイ同和損害保険株式会社(パーソナル自動車保険

前保険会社の選択肢に全労災がありません。従って、ニッセイ同和が今回のケースについて、どのように扱っているのかサイトの保険料見積もりからは不明です。
なお、選択肢にある共済は、JA共済だけです。ということは、損保協会のノンフリート等級情報交換制度で情報交換している共済だけをこの見積もりの対象にしているのではないかと思われます。そうだとしたら、全労災がノンフリート等級情報交換制度に加わった後に試してみる価値はありそうです。
 

ソニー損害保険株式会社

最初の「お見積り ご契約の選択」画面に以下の注釈があります。従って、ソニー損保が今回のケースについて、どのように扱っているのかサイトの保険料見積もりからは不明です。

全労済などのJA共済以外の共済にご加入されているお客様はインターネットでのお見積り・お申込みができません。画面右下の連絡先までお問合せください。

多分、主旨はニッセイ同和と同じではないかと思われます。
 

三井ダイレクト損害保険株式会社

「見積もりスタート」の前に以下の文言があって、いきなり脇にそれてしまいます。従って、三井ダイレクトが今回のケースについて、どのように扱っているのかサイトの保険料見積もりからは不明です。

全自共・全労済にご加入のお客さまはお電話にて承っております。詳細はこちらをご覧ください。

 

アクサ損害保険株式会社

5番目の「契約中の保険について」画面で、「現在の保険における保険金請求の有無」を“あり”とすると見積もりできません。また、その近辺に以下の注があります。従って、アクサダイレクトが今回のケースについて、どのように扱っているのかサイトの保険料見積もりからは不明です。

現在の保険期間中に保険金請求があった場合、インターネット見積をご利用いただけません。フリーコールまでご連絡ください。

 

アメリカンホーム保険会社

17等級(3等級ダウン)になりました。前契約である全労災の基準ではなく、自社基準で次等級の決定をしているようです。
なお、前年事故の入力欄は1画面まるまる当てていて、詳細な説明を読んで入力するようになっています。
 
実際にやってみて分かったのですが、全労災で事故ありはほとんどの損保の見積もりが使えません。その気がないと思われる代理店系損保はともかく、ダイレクト系損保でもここまではじかれるとは予想外でした。
今回試した中で唯一結果が出たAHDについては、予想の範囲内でした。逆にここで18等級(2等級ダウン)で出たら、意外だったのですが。
でも、個人的には、18等級(2等級ダウン)にしておいた方が事務面で楽だと思います。