日本興亜損保の2008年度の数字

日本興亜損害保険株式会社の2008年度決算短信と役員異動(案)が5月20日に公表されているので、ざっと見てみました。
「平成21年3月期 決算短信
http://www.nipponkoa.co.jp/news/whatsnew/2009/news2009_05_20_tanshin.pdf
「人事異動のお知らせ」
http://www.nipponkoa.co.jp/news/whatsnew/2009/news2009_05_20_jinji.pdf
日本興亜損害保険株式会社 ニュースリリース 2009.5.20)
ざっとめぼしい数字を拾ってみました。
 正味収入保険料:653,400百万円(前年度:688,892百万円)
 経常利益:-2,851百万円(前年度:16,769百万円)
 正味損害率:66.7%(前年度:65.4%)
 正味事業費率:35.1%(前年度:34.9%)
保険料が減収、利益はマイナス、損害率・事業費率ともに上昇といった点は損保業界全般の傾向と一致しています。ちなみにコンバインドレシオは 101.8%で昨年度に比べてダントツに悪いという状況ではなくなりました。昨年度は日本興亜損保だけが100%を超えていましたから。正味収入保険料は、すべての種目(火災,海上,傷害,自動車,自賠責,その他)で減収しており、損害率は、傷害を除くすべての種目(火災,海上,自動車,自賠責,その他)で悪化しています。
 
それよりも、興味深いのが役員人事です。現在の副社長2名を更迭し、今年度6月から副社長のポストには誰も置かないようです。会長職は不在なので、現社長の兵頭氏の独裁状態になってきたようです。
「週刊ダイヤモンド(3/14号)保険特集」の記事「注目は日本興亜と損保ジャパン 生損保入り乱れる再編へ突入」の中に以下の記載があります。

昨年には社内で、某副社長を社長にする会が結成された。それが兵頭社長の耳に届き、社長自らが副社長を叱責する事態も生じている。

今回の役員人事とこのことは無関係ではないでしょう。日本興亜損保は社内の権力争いでいっぱいいっぱいのように思えます。損保ジャパンとの統合もその権力争いの道具と見るのが正解かもしれません。