アメホの2008年度の数字

アメリカンホーム保険会社の2008年度の業績が6月5日に公開されていました。
「2008年度(2009年3月期)決算と業績の概要について」
http://www.americanhome.co.jp/information/090605.html
アメリカンホーム保険会社 お知らせ 2009.6.5)
例によって主要な数字をざっと見てみました。
 正味収入保険料:59,042百万円(前年度:57,301百万円)
 経常利益:4,180百万円(前年度:-257百万円)
 正味損害率:37.8%(前年度:33.8%)
 正味事業費率:43.7%(前年度:57.3%)
正味収保が増収、経常利益が増加という点で多くのダイレクト系損保と同じ傾向が見られます。また、アクサ損害保険株式会社と同様に単年黒字化を果たしました。AIGが実質破綻したという逆風にもかかわらず、それを感じさせない結果を出したと見ることができると思います。逆の見方をすれば、AIG の実質破綻があったからこそ、グループのお荷物にならないようにいろいろ手を打って黒字化したのかもしれません。
また、コンバインドレシオが 81.5%(前年度:91.1%)というのは凄い数字です。前年度からの推移で見ると事業費率を13.6% も下げています。黒字転換の要因はここにありそうです。また、損害率が30%台というのも凄い数字です。自動車保険では考えられない損害率です。
実は、AHDは自動車保険の占める割合は、他のダイレクト系損保に比較すると非常に低いです。自動車保険は、元受正味保険料では18,693百万円で全体の22.6% を占めていますが、正味収保では2,787百万円で全体の4.7% しかありません。おそらく、自動車保険はその大部分を再保険に出しているのでしょう。
AHDにおける主たる種目は、傷害保険(医療保険を含むはずです)で正味収保では全体の95.0% を占めています。その正味収保が56,072百万円で、正味支払保険金が18,405百万円、損害率は34.6% ですから、全体の損害率が低いのも分かります。
 
いずれにせよ、このまま黒字が定着すれば AIUグループから売却される可能性も低くなると思われます。特に、傷害・医療保険がメインで損害率の低い傾向が続くなら、販売量の落ち込みが生じない限り、将来も安定していると言えるのではないでしょうか。