アリコのクレジットカード情報流出

アメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニーの保険契約に利用したクレジットカードの情報が流出して、被害が出ています。
「お客様情報の流出の可能性に関するお知らせ」
http://www.alico.co.jp/about/press/09_0723.pdf
アメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー プレスリリース 2009.7.23)

弊社では、2009年7月14日以降、クレジットカード会社より、弊社の保険商品の保険料決済にクレジットカードを利用されているお客様のカードの不正使用に関する複数の照会を受けました。
ご契約との照合および社内調査を行ったところ、クレジットカード決済でご契約いただいているお客様情報の一部が流出している可能性が極めて高いと判断いたしました。
引き続き調査中ではありますが、最初の不正使用は現段階では 7 月初旬との報告を受けており、以下の全ての条件に該当されるお客様に不正使用の傾向がみられます。

クレジットカード不正使用の犯罪はちょくちょくあるようですが、これほどの規模で重大な情報流出があり、その流出した情報による被害があったというニュースは珍しいです。
三菱UFJ証券のような顧客情報漏洩とは異なり、クレジットカード情報の場合はそれを利用して利益を得ようとすると犯罪にしかならないため、情報の売買はいきなりアンダーグラウンドな世界に持ち込まれたのでしょう。情報を利用する側も違法と分かっているから、足がつかないように工夫するでしょうから、流出経路の特定には時間がかかるかもしれません。
ただ、個人的には、内部犯行ではないかと思っています。今時、大量のデータを外部から入手するのはハードルが高過ぎるでしょうから。時期的にも、待遇が悪化してモラルが低下して、この手の内部犯行が起こり易い状況になってきたという背景もあると思います。
 
多分、調査中のため、故意にリリースしていないと思いますが、どこのクレジットカード会社のカードが流出したのかというのも気になります。
また、今回の流出の発覚がどのような経緯で判明したのかも非常に気になります。クレジットカードを不正に使用された被害者は、アリコが原因とは分からないはずですから、まずはクレジットカード会社に連絡するでしょう。そこから、どうやってアリコに結びついたのか想像できません。
 
そして、難しいと思われるのが、クレジットカードの使用停止です。流出した可能性があるなら、当然にそのクレジットカードは使用しないようにすべきです。しかし、生命保険の保険料は大抵月払ですから、カード変更の手続きをしなければなりません。それは手間だし、ポイントを貯めている人ならやりたくないことでしょう。
また、今回の件で、アリコの扱うクレジットカードに対する信用は落ちたことでしょう。カード変更後もクレジットカード引き落としで契約を継続してくださいと言うのは、素直に受け入れられないことが予想されます。
 
いずれにせよ、この件は目の離せない事件となりそうです。