クレジットカード情報流出と安全な保険料払込方法

アメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニーのクレジットカードの情報流出問題で契約者に金銭的な被害が出ています。同業の保険会社についても、全く同じ問題が起こり得るのでしょうか?
 
結論から言うと、クレジットカード払をしたからといって、保険会社から必ずしも情報流出の可能性があるとは言えない と思っています。
保険会社からクレジットカードの情報流出の可能性があるには『保険会社がクレジットカード情報を保有していること』という条件を満たさなければなりません。
 
ダイレクト系損保の自動車保険は、一括払が主流です。クレジットカードの一括払の場合は、契約申込時にオーソリゼーションをして承認番号等の取引に関する情報は必要ですが、カード番号やカード有効期限は不要のはずです。従って、その不要な情報を保険会社が保有していなければ、そもそも情報流出の元となるものがないので、流出はありえないということになります。なお、保険料は一括払で、クレジットカードの機能で分割払をするケースも同じです。
一方で、保険料を月払などに分割払するケースは事情が違ってきます。初回保険料分を契約申込時にオーソリゼーションするのは同じでしょうが、その後も各回の保険料引き落としのタイミングで、クレジットカード会社に対して与信照会をする必要があるはずです。
そのために、保険会社はクレジットカードの情報を保持しておく必要があります。情報を保持すれば、その流出リスクも当然に発生します。
 
生命保険の場合は、保険料は月払が主流なので、後者の方なのでしょう。
たまたまアリコで問題が発生しましたが、クレジットカード情報を保険会社内で保持している会社は同じリスクがあります。
 
通販系の保険において、契約者側から見て、安全な保険料支払方法はどのようなものでしょう。
まず第一に挙げられるのは、その取引に対してだけ支払を許可するタイプです。これは一括払にしかないような気がしますが、銀行振込やコンビニエンスストア決済がそれに当たります。ここではクレジットカード払も、保険会社がカード情報を保有しないことを条件に、含まれます。
月払などの分割払においては、各回の取引毎に支払を許可するタイプはないと思います。電気・ガスなどの公共料金などでは毎月コンビニエンスストア決済というのもありますが、保険においては不払の対応が大変なので推進したくないのだと思われます。
一括払か分割払かに限らず、銀行などの口座振替は仮に情報流出があったとしても、金銭的被害を被るリスクが小さいと言えるかと思います。銀行の口座情報が他人に知られたところで、その情報だけを利用して他人がお金を引き出すのはかなりハードルが高いでしょうから。ただし、これは口座振替依頼書の取り付け手続きが手間だし、システム的にもロードがかかるのでダイレクト系損保ではあまりないようです。
ちなみに、通販でないなら、募集人が毎回集金するとか、団体扱にして給与天引きにするとかといった手段もあります。
 
余談ですが、↑に書いたとおり、通販系の保険で分割払において安全と言えるのは、銀行などの口座振替くらいしかないような気がします。しかし、これは昔ながらの紙ベースの事務が必要であり、ネットにそぐわないシロモノです。
今は、大手銀行を中心に銀行もダイレクトバンキングに乗り出していますし、ネット銀行も存在します。ここらで、安全でネットに適した決済手段を用意してもらいたいと思います。