人身傷害補償保険と搭乗者傷害保険の保険料

自動車保険の人身傷害補償保険と搭乗者傷害保険は、両方とも被保険者の死傷に関する保険だが、どう違うのかという話はあちこちで目にします。
補償範囲や保険金支払い基準ではなく、保険料にスポットを当ててみようと思います。
普通の人身傷害補償保険は搭乗者傷害保険よりも補償範囲が広いので、ここでは以後特に断らない限り、人身傷害補償保険は被保険自動車搭乗中のみ担保とします。
 
ここで以下の2種類の契約を考えてみることにします。
A.人身傷害:3,000万円
B.搭乗者傷害:3,000万円
C.人身傷害:5,000万円
D.人身傷害:3,000万円+搭乗者傷害:2,000万円
契約内容は以下のとおりとして保険料を出してみます。

【属性】
ゴールド免許,使用目的:日常・レジャー(3,000km以下)
ホンダ フィット(GE6),初度登録:H20年1月,品川ナンバー
【契約条件】
保険始期:2010.3.1 ノンフリート等級:10等級
年齢:40歳,30歳以上補償,家族限定
対人:無制限,対物:無制限,人身傷害・搭乗者傷害:条件のとおり
車両保険:なし
(証券e割なし)

ちなみに、GE6 の2010年度の傷害料率クラスは5です。
 

ソニー損害保険株式会社 総合自動車保険 Type S

A.人身傷害:3,000万円
 保険料:30,720円
B.搭乗者傷害:3,000万円
 保険料:29,550円
C.人身傷害:5,000万円
 保険料:31,590円
D.人身傷害:3,000万円+搭乗者傷害:2,000万円
 保険料:32,940円
 

イーデザイン損害保険株式会社 自動車保険

A.人身傷害:3,000万円
 保険料:33,940円
B.搭乗者傷害:3,000万円
 保険料:34,870円
C.人身傷害:5,000万円
 保険料:34,390円
D.人身傷害:3,000万円+搭乗者傷害:2,000万円
 保険料:35,720円
 

三井ダイレクト損害保険株式会社 総合自動車保険

A.人身傷害:3,000万円
 保険料:26,010円
B.搭乗者傷害:3,000万円
 不可(∵保険金額上限 2,000万円まで)
C.人身傷害:5,000万円
 保険料:27,000円
D.人身傷害:3,000万円+搭乗者傷害:2,000万円
 保険料:28,050円
 

SBI損害保険株式会社 個人総合自動車保険

A.人身傷害:3,000万円
 保険料:25,290円
B.搭乗者傷害:3,000万円
 不可(∵保険金額上限 2,000万円まで)
C.人身傷害:5,000万円
 保険料:25,980円
D.人身傷害:3,000万円+搭乗者傷害:2,000万円
 保険料:27,550円
 

そんぽ24損害保険株式会社信販売用総合自動車保険

ここの人身傷害補償保険(人身傷害補償特約)には被保険自動車搭乗中のみ担保がありません。従って、補償範囲が異なるため、参考の位置づけです。
A.人身傷害:3,000万円
 保険料:35,630円
B.搭乗者傷害:3,000万円
 保険料:34,440円
C.人身傷害:5,000万円
 保険料:36,850円
D.人身傷害:3,000万円+搭乗者傷害:2,000万円
 保険料:38,460円
 
以上、国内社のダイレクト系損保で調べた結果、興味深い結果となりました。
保険金額を 3,000万円にする場合(A・B)は、損保会社によって異なり、一概にどちらが安いとは言えません。実際の保険金支払いのことを考えると、死亡に関しては定額の搭乗者傷害保険の方が有利ですが、ケガの治療には実損払いの人身傷害補償保険の方が有利です。
保険金額を 5,000万円にする場合(C・D)は、明らかにDの方が保険料が高くなります。そして、保険金支払いにおいても、Dの方が多く受け取ることができます。
後者については予想がついたことですが、やはりこういうことは実際に試して始めて確信が持てます。