火災保険の借家人賠償責任特約の中身

先日は、人様のブログに出向いて火災保険の付帯特約の個人賠償責任保険について結構いい加減なことを書いてしまいました。申し訳ないことをしてしまいました。
 
個人賠償責任保険は昔から大して変わっていないと思うので、その代わりに話題になった借家人賠償責任保険について現状をちょっと調べてみることにしました。確かに、私が前に保険会社にいた頃(多分、ビッグバンの後)に借家人賠償責任総合保険というのが出来て、火災系の各社オリジナルの主力商品に付帯されるのはこの総合タイプになっていったような気がします。(でも、ちゃんと「借家賠」と「借家賠総合」と区別して呼んでましたが。)ただ、どんどん新しい補償を増やそうという風潮だったビッグバン直後と違って、今は不要な特約は減らすのがトレンドです。新しくできたものが残っているとは限りません。
 
ということで、損害保険協会推奨(←冗談です)各社個人向け火災保険について、どちらのタイプの借家人賠償責任保険が付帯できるのか調べてみました。全部調べるのはめんどくさいので、例によって大手のみです。
 

東京海上日動火災保険株式会社

ホームオーナーズ保険(個人財産総合保険)

◆借家人賠償責任拡張補償特約
拡張補償だから、原因は何でもOKか?と思ったら、そうでもないようです。同社のサイト内のよくある質問に↓の文章がありました。借家人賠償責任保険はデフォルトが火災・破裂・爆発だから、それに対して拡張したということなのでしょう。

賃貸住宅にお住まいの方向けの特約で、「火災」「破裂・爆発」「給排水設備の使用・管理に起因する漏水、放水または溢水による水漏れ」「盗難」の事故により借用している住宅が損壊したことにより、家主に法律上の賠償責任を負った場合に保険金をお支払いいたします。

 

三井住友海上火災保険株式会社

ホームピカイチ(ホームライフ総合保険)

◆借家人賠償責任総合担保特約
これは名前からしてOKそうです。パンフレットを見ると↓のように「偶然な事故」と書いてあったので、総合タイプのようです。

偶然な事故により借用戸室を損壊し大家さんに対して法律上の賠償責任を負った場合の賠償金などを補償します。

 

株式会社損害保険ジャパン

新家庭保険(新火災保険)

◆借家人賠償責任担保特約
これは名前からして古い限定タイプの感じがします。実際にそのとおりです。特約条項に↓のときだけと書いてありますから。

(1) 火災
(2) 破裂または爆発(「破裂または爆発」とは、気体または蒸気の急激な膨張を伴う破壊またはその現象をいいます。)
(3) 給排水設備(スプリンクラー設備・装置を含みます。以下同様とします。)の使用または管理に起因する漏水、放水または溢水による水濡れ。ただし、給排水設備に生じた損害を除きます。
(4) 盗難(強盗、窃盗またはこれらの未遂をいいます。)

 

あいおい損害保険株式会社

家庭総合保険

◆借家人賠償責任担保特約
これも名前のとおり、古い限定タイプと思いきや・・・総合タイプのようです。パンフレットの「保険金をお支払いする場合」に↓のように書いてあり、これを見る限りでは限定していませんから。

偶然な事故により借用住宅が損壊し、借用戸室の貸主に対して法律上の損害賠償責任を負担することにより損害を被った場合

 

日本興亜損害保険株式会社

フルハウス(すまいの総合保険)

↑を調べたかったのですが、この会社は例によってほとんど商品の情報がサイトにありません。仕方ないので、幸い積立火災なら分かったので、そちらにします。

リブロック(すまいとおみせの積立保険)

◆借家人賠償責任総合担保特約
これは名前のとおり、総合タイプです。

偶然な事故により被保険者の借用する戸室を壊したことにより、被保険者がその借用戸室について貸主に対して法律上の損害賠償責任を負担することにより損害を被った場合、1事故につき支払限度額内の損害賠償金の額をお支払いします。また、訴訟・裁判上の和解・調停・仲裁に要した費用などもお支払いします。

 

ニッセイ同和損害保険株式会社

ホームぴたっとE(住宅安心総合保険)

◆店舗賠償責任担保特約  ◆個人賠償責任担保特約
何故この特約名なのかすごく納得がいきませんが、これしか見つからないのだからしょうがないです。どちらかしか付帯できないのですが、借家人賠償としてはどちらも同じで、総合タイプになるようです。
賠償責任を負う事由として、前者なら、↓があるし、

●被保険者の居住の用に供される証券記載の住宅の所有、使用または管理に起因する、または日常生活に起因する偶然な事故

後者なら、↓がありますので。

●本人の居住の用に供される保険証券記載の住宅の所有、使用または管理に起因する偶然な事故

 
 
こうしていろいろな会社を見てみると、どちらもありのようなので、よく確認する必要があります。ちなみに、今回調べた商品に関しては、限定タイプと総合タイプの両方を用意していて契約時に好きな方を選べる…ということはないようです。