似非保険屋のコラム

ずいぶん呆れたコラムが朝日新聞にありました。
生命保険の話のはずですが、どうせ保険の話が何もないので遠慮なく取り上げることにします。
 
「確率を知りたい(上)パーミルってご存じですか?」
http://www.asahi.com/health/seiho/TKY200808060366.html
朝日新聞 2008.8.6)
 

 ある外資系大手生保の出しているものを見てみます。「死亡率」をチェックすると、平成18年度の「件数」は「2.0」とあります(画像参照)。この数字を、私は当初パーセントだと思っていました。というのは、この資料のほとんどの数字の単位は「%」だったからです。つまり、100人に2人くらい、死亡保険金の支払いが発生するということなのか、と理解しました。しかしその後、これが勘違いだとわかりました。
 
 特約発生率の中の「疾病入院保障特約」の「件数」をみると、48.9。いくらなんでも、100人中49人も入院するとは考えにくい。どういうことだろうとよく見てみると、死亡率と特約発生率の表だけ、片隅に「単位:‰」と書かれていました。「%」ではなく、「‰」です。パーミルと読み、1000分の1を表す単位だそうです。2.0‰とは、1000人に2人ということ(=0.2%)なのです。

 
↑に書いてあることを読むと、専門的(なつもり)に調査するつもりのくせに単位の確認を怠った上に、ちゃんと資料に書かれているものを見なかった自分の不注意を他人に転嫁しているだけの話であることが分かります。
普段から見てよく知っている資料ならともかく、初めて見る資料の数字の単位を確認しないなんて常識的にありえません。
 
あえて、もう1つ付け加えさせてもらうなら、「あんた、パーミルを知らなかったの?」です。
パーミルという言葉を知らなくても、一昔前の損害保険を扱っていた人間なら、火災保険や傷害保険の料率は保険金額 千円に対するものになっていたのを電卓で計算していたことと思います。今ではコンピュータ任せがほとんどですが。
つまり、保険屋なら千に対する単位は出てきたところで、それほど違和感を感じないことと思います。
そうじゃないってことは、このコラムを書いた人は詳しいふりをしているけど、実はほとんどド素人なのではないかと思えます。
 
そして、このコラムの一番ダメなところは、保険に関する内容がまるでないという点です。
単に、後田亨 という人物の無能さが書かれているだけです。