産科医療補償制度の保険認可取得

東京海上日動が「産科医療補償制度」に対応した被害補償保険の認可を得たとの記事がありました。
 
「出産事故救済迅速に 金融庁が被害補償保険認可」
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080901AT3S3100W31082008.html
日経新聞 2008.9.1)

出産時の医療事故で重い脳性まひとなった障害児の家族が、分娩(ぶんべん)を扱う医師の過失を立証できなくても補償金を受け取れる「産科医療補償制度」で、東京海上日動火災保険金融庁から保険商品の認可を受けたことが分かった。

産科医療補償制度」をざっと調べて、どんな保険か推測してみました。(東京海上日動のサイトで公開されていないのだから推測するしかありません。)
推測といっても、この制度の内容からすると、出産により重度脳性まひになった赤ちゃんに対して保険金を支払うというものしか考えられません。契約者(保険料負担者)はおそらく病院などの医療機関でしょう。
一見、専門職業人賠償責任保険の医師賠とよく似たもののように思われます。医師賠と何が違うのか?というと、賠償責任の有無にかかわらず保険金が出るところと保険金の支払い要件が出産による重度脳性まひに限られるところかと思います。
 
医師の賠償責任…過失の有無にかかわらず保険金を支払うというのは、過失のない場合は良いと思うのですが、過失がある場合は本当にこれでいいのでしょうか?
そこをなぁなぁで済ませると、モラルリスクとか、原因究明・再発防止策の徹底の欠如とか悪影響がありような気がします。そこは、保険会社が請求権代位によって保険金分を求償するのでしょうか?
どんな保険になっているのかちょっと気になります。
そのために結局、医師賠もセットで売り込んだりして…。