アメリカンホームのディスクロージャー誌より

昨日は AIUディスクロージャー誌を見たので、今回は AIU と共に最近話題になりがちなアメリカンホーム(以下、AHD)のディスクロージャー誌(2008年)を見てみました。
思ったことをつらつらと書いてみます。
http://www.americanhome.co.jp/aha/bizreport.html
アメリカンホーム保険会社 会社情報 > ビジネスレポート)
 
まず気が付くのが、ディスクロージャー誌自体が去年のものに比べて読みやすくなっていることです。去年は2色刷だったのが4色刷(フルカラー)になっていますし、デザインも一新されています。昨今は、募集ツールを分かり易くしようという流れがありますが、それがディスクロージャー誌にも現れたという印象を受けます。
 
P.6から代表的な経営指標が載っています。
正味収入保険料は 57301百万円で、ほぼ AIU と同じです。正直な話、これを見るまでは AHD の方が、AIU よりもかなり小さいだろうと思っていました。ちなみに、直近5年の正味収入保険料は 28649→37093→48750→53131→57301 とかなりの勾配での右肩上がりです。
正味損害率が 33.8% です。これには驚きました。自動車保険が大半を占めていたら、ありえない数字です。自動車の損害率が7割を切るとは思えないので。後ろの方の業績データを見て納得しました。AHD は損害率が30%未満の傷害保険の保険料が全体の7割超を占めていたのです。
正味事業費率は 57.3% です。これは損害率とは逆に傷害保険の事業費率が悪いのが響いています。2007年度が特に悪いということではなく、もともとこのレベルで推移しています。正味収入保険料から見た規模からすると、この数値は高すぎると思います。
保険引受損益,経常損益,当期純損益はいずれもマイナスです。直近5年ずっとマイナスなので、要改善です。
 
販売保険商品は、限られたラインアップしかありません。通販がメインであることからすれば当然と言えます。
火災保険は、独自商品の通信販売用総合住宅保険がメインで、おまけとして算定会種目を持っているようです。
傷害・医療保険も通販用商品がメインで、算定会種目はおまけでしょう。
自動車保険は、リスク細分のオリジナル商品しか売っていないようです。
あと、賠償責任保険と盗難保険があるようです。盗難保険は、以前のブログで取り上げた支払用カード・個人情報不正使用被害等担保特約付帯盗難保険があるはずです。
 
ざっと見て、気がついたのはこんなもんです。
ここ5年で黒字になったことがないというのはちょっと難です。AIG からすると、AIU よりも AHD を先に手放そうとすると思います。