ニッセイ同和の健康状態告知書の改訂と各社医療保険販売状況

ニッセイ同和から健康状態告知書を改訂するというニュースリリースがありました。
「第三分野商品 健康状態告知書等の改訂について」
http://www.nissaydowa.co.jp/download/0809_02.pdf
ニッセイ同和損害保険株式会社 ニュースリリース 2008.9.26)
 
もしも、この改訂が保険法対応まで反映したものだとしたらちょっと大したもんだと思います。告知書における保険法対応でのポイントは、具体的な質問応答義務の形式になっていること、その商品の危険に関係ないなら謝絶しないことです。リリース資料を見る限りでは、微妙です。例えば、会社で従業員に対して行う検診で、再検査要となった人は質問Aや質問Bの「または」以降の問いに対して、"はい"になるのでしょうか?また、質問Cも引き受けるのかどうか判断を保留にしていることから、うまくないと言えます。危険率に従って、引受可否の判断を特定のロジックに従って行うのでしょうから、そのロジックで謝絶するもののパターンをうまく文章にして、それに対してYes/Noを答えられるようにしておくのが望ましいと思います。
今回はそこまできちんと考えてないように見受けられます。多分、保険法対応までに作りなおしになると思われます。
 
実は、募集ツールの改定なんかよりも「あれ?ニッセイ同和ってまだ医療保険を損保会社で売っていたの?」というのが最初の感想です。
ずいぶん前に、東京海上日動が第3分野は生保子会社で売ることにして本体では中止するという方針を出したので、他社もほとんどがそれに追随したもんだと思っていました。
念のために、医療保険の販売状況を他の大手5社について改めて確認してみました。止めた損保の方が少数派のようです。しかし、保険市場やNTTイフ等の比較サイトで見かけるのは、損保ジャパンのDr.ジャパン(新・長期医療保険)だけです。
 

東京海上日動火災保険株式会社

新規発売中止。
以下のニュースリリースではっきり宣言しています。
「損保長期第三分野商品に関する新規契約の引受中止について」
http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/j0201/pdf/20061208145529.pdf
東京海上日動火災保険株式会社 ニュースリリース 2006.12.8)

東京海上日動火災保険株式会社(社長 石原 邦夫)は、2007年4月1日より、原則、保険期間10年以上の損保長期第三分野商品(注1)に関する新規契約の引き受けを中止し、短期性商品を中心に経営資源を集中的に投下することといたしました。今後、長期第三分野商品につきましては、原則、東京海上日動あんしん生命での引き受けとさせていただきます。

また、以下のとおり、医療保険がん保険の「よくあるご質問」ではっきり宣言しています。
http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/service/sick/long_life/faq/tab1.html

医療保険(ロングライフミニ)は新規の引受けをとりやめさせていただくことにいたしました。(2007年4月1日以降に保険期間が開始する契約が対象です。)

http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/service/sick/cancer/faq/tab1.html

がん保険は新規の引受けをとりやめさせていただくことにいたしました。(2007年4月1日以降に保険期間が開始する契約が対象です。)

 

株式会社損害保険ジャパン

販売中。
Dr.ジャパン(新・長期医療保険)を積極販売しています。同社のサイトや広告・CMからも明らかです。
 

三井住友海上火災保険株式会社

販売中。
正直、よく分かりません。ニュースリリースを追う限りでは、金融庁から業務停止命令が出された後の販売再開の以下のニュースしかありません。しかし、同社のサイトやディスクロージャー誌(2008年)を見ると、販売している気配がありません。
「終身医療保険の販売を再開」
http://www.ms-ins.com/news/h19/1203_1.html
三井住友海上火災保険株式会社 ニュースリリース 2007.12.3)

 三井住友海上火災保険株式会社(社長:江頭 敏明)は、「終身医療保険医療保険特約付健康長期保険)」について、12月1日以降始期契約より販売を再開します。
 従来の終身医療保険(ViV終身)は、2006年7月以降新規の販売を停止していましたが、業務改善計画に沿って保険契約の募集・支払態勢に係る態勢整備を進めるとともに、お客さまから寄せられたご意見なども踏まえ、商品内容を大きく見直すことにより、販売を再開するものです。

もしかして、特定チャネルに対してのみ、細々とやっているのでしょうか?実のところニュースリリースを出していないだけで、子会社の三井住友きらめき生命に医療保険は任せて、本体では原則発売中止にしている可能性が高いと思うのですが。
 

あいおい損害保険株式会社

販売中。
リブリード(健康総合保険)を販売しています。同社のサイトの内容から一般向けに新規募集をしていることが明らかです。
 

日本興亜損害保険株式会社

新規発売中止。
同社のディスクロージャー誌(2008年)P.106 に以下のとおりあることから、原則として新規の取扱いは中止され、法人や団体向けに例外的に継続しているのではないかと思われます。

医療保険における新規個人契約の売り止めや積立型契約の販売減少などにより、