ゲームをすると自動車保険料が安くなる

興味深い記事を見つけました。
先に内容を要約すると、
 50歳以上のドライバーで、InSight というゲームをして一定の条件を満たすと
 自動車保険の保険料を割り引く
ということのようです。
しかし、残念ながら、日本の話ではありません。アメリカのペンシルベニア州限定の話です。
記事の一部を紹介します。
 
「運転「脳力」を向上させる頭の体操ソフト、保険会社が開発」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0810/03/news028.html
ITmedia News 2008.10.3)

 米保険会社Allstateは10月1日、運転時の注意力やとっさの判断力を鍛える頭の体操ソフト「InSight」を、50歳以上の同社の自動車保険加入者に提供することを明らかにした。
 
 InSightは、老化によって低下する認知能力を鍛え、ドライバーの注意力を向上させることを目的に開発された。50歳以上のドライバーの事故を減少させるのが狙いで、このソフトでの訓練を受けた人に対しては、保険料を減額する計画もあるという。

 
「ゲームに励んで掛け金割り引き? 米自動車保険会社の試み」
http://www.cnn.co.jp/business/CNN200810040001.html
(Cable News Network 2008.10.4)

ゲームは何種類か用意されているが、必ずしも運転に関係する内容というわけではない。たとえば「宝石ダイバー」と題したゲームは、水中に沈んだ宝石を探し出すのがテーマ。宝石は冒頭で一瞬画面に現れるが、やがて水中を泳ぐ魚の群れに隠されてしまう。プレーヤーは魚の動きが止まった時点で、宝石がどの魚の陰にあるかを当てなければならない。ゲームが先へ進むにつれ、魚の数は多くなり、宝石探しもそれだけ難しくなる。
 
掛け金の割り引きを受けるための条件は、こうしたゲームを少なくとも10時間やり遂げること。それぞれのドライバーが合計何時間ゲームを続けたか、ポジット・サイエンスが記録することになっている。オールステートは、ゲームに挑戦したグループとそれ以外のドライバーについて交通事故の発生率を比較し、プログラムの効果を確かめる方針だ。

 
米大手保険会社のオールステート社が、ポジット・サイエンス社(ざくっと調べた感じでは、脳における認知度を測定するソフト等を研究・開発しているIT会社のようです)と組んで、同社の50〜75歳の契約者に対して実施するようです。ゲームの内容については、CNNの記事の方が詳細です。
最低10時間なので、それだけでも確かにこれをやり遂げるにはヒマ(笑)だけでなく、集中力や注意力をそれなりに継続的に必要とすることが推測できます。(多分、単に長時間やればいいというものではなく、ミスを繰り返すとゲームオーバーになると思われます。)
とりあえず今回は試行という位置付けのようですが、多くの被験者からデータを集めることは必要です。ゲームの得点・効果と事故率の相関関係が高いことが実証されたら、本格的に導入するのでしょう。非常に興味深い内容です。
 
なお、日本でも高齢者の事故率の高さは問題視されています。
免許証返上の制度ができたのも、無関係ではありませんし。
リスク細分型の自動車保険では、高齢者の保険料を高くしている商品もあります。
また、一括見積もりサイトでは、契約者あるいは記名被保険者の年齢が一定以上の場合は保険料が計算されない…つまり、保険に入れないようにしているところもあります。代理店販売している会社でも、引受制限しているところがあるでしょう。
自動車事故は被害者が他人になることが多いので、単に収支の面からだけでなく、事故を減らす面からもある程度やむを得ないことも理解できます。
しかし、高齢者と一くくりにするのではなく、運転能力に衰えがない場合はそれに見合った保険料で引き受けるという考え方もありだと思います。特に日本は高齢者の割合が非常に高い国なので、なおさらです。勿論、いろんな面で課題が山積みなのは容易に推測できます。
それらの課題については長くなるので、ココでは書きませんけど…