富士火災と AIG

富士火災から、AIGニュースリリースを受けて、同社サイトに↓の案内を出しました。
AIG社の発表について」
http://www.fujikasai.co.jp/CGI/news/index.cgi?view=detail&seq=70
富士火災海上保険株式会社 お知らせ 2008.10.4)
 

10月3日、弊社の大株主の1社であるAIG社(グループ合計で23.04%出資)は、同社の事業再編計画について発表しました。この発表によるとAIG社は、損害保険事業を中核事業とし、継続して経営資源を集中する意向(米国内の損害保険事業および米国外の損害保険事業を継続して保有する予定であること)を明らかにしました。

この部分は、事実と AIG の発表に基づくもので掲載されている内容に誤りはありません。
しかし、この文章は AIG富士火災の株を引き続き保有するとは言っていませんし、そう読み取るのは早計だと思います。
くどいようですが、AIG は以下のリリース資料で確かに「米国外の損害保険事業を継続して保有する予定」と言っています。
AIGは米国外の生命保険事業とともに世界規模の損害保険会社として再出発」
http://www.aig.co.jp/news/n2008/n_10.htm
(American International Group プレスリリース 2008.10.3)
しかし、この AIG のサイト(http://www.aig.co.jp/)の「AIGグループ会社のご案内」を見るとそこには富士火災は書かれていません。
http://www.aig.co.jp/companies/index.htm
AIGグループとして、保険事業の所に載っているのは以下の7社です。
AIU保険会社(エイアイユー インシュアランス カンパニー)
アメリカンホーム保険会社アメリカンホーム アシュアランス カンパニー)
ジェイアイ傷害火災保険株式会社
アリコジャパンアメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー)
AIGスター生命保険株式会社
AIGエジソン生命保険株式会社
・トランスアトランティック再保険会社
つまり、AIG富士火災をグループ会社として見ていないのです。単に、大株主であるだけと捉えているなら、富士火災の株を売却する可能性は低くないものと思われます。
 

弊社は、国内外の格付機関よりA格付を取得している、独立した上場損害保険会社です。財務の健全性に基づき、引き続き革新的な商品と最高品質のサービスをすべてのお客さまにご提供してまいります。

おそらく、富士火災側もそのことが分かっていて、自社の株が売られるかどうか不明な状態だと思います。だから、↑の部分の文章を出しているのでしょう。
これの意味するところは、『AIG が株を売ろうが売るまいが、AIG とは独立した会社なのだから、今までどおり業務を継続します』ということだと思います。
実際に AIG が株を売ったら、社長交代とかの社内の人事面で変動はあるでしょうが、おそらく社外にはほとんど影響はないものと思います。
 
やはり、昨日の日記「当面、AIG は日本の保険会社は手放さない模様」で書いたとおり、富士火災の株については不透明です。