損害保険ジャパンでの社内連携

非常に多くの社員をかかえる大会社の場合、情報というのは基本的に中央から末端へしか流れません。末端からの情報として報告というのがありますが、これは定型的なフォームになっていて情報の内容に自由度がないのが普通です。
しかし、どこの会社もそれではダメで、網の目のようなネットワークで末端から末端へとか末端から中央へとかの情報交換をしたいと考えているはずです。俗に「風通し」っていうやつです。
その方法としてイントラネットが最も適当な道具であることは誰もが気づいていて、会社によって掲示板やSNSで社員が情報交換できるように環境を整備していることと思います。
 
そのような話として、損保ジャパンの事例が紹介されていました。
損害保険ジャパン
 コンプライアンス対策の社内SNSが軌道に、現場の“生の声”を集め経営に生かす」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/JIREI/20081002/316083/
日経情報ストラテジー 2008.10.6)
 

損害保険ジャパンの経営企画部が運営する社内SNSソーシャル・ネットワーキング・サービス)「社員いきいきコミュニティ」が軌道に乗ってきた。当初はコンプライアンス(法令順守)対策として現場社員の“生の声”を収集する手段として導入したが、最近は業務に必要な資料の共有や、本社の施策や方針に対する現場の反応をヒアリングする手段にするなど、用途を広げている。さらに活用範囲を広げるため、SNSの参加者から運営の世話役を募り、2008年中にも組織化する計画だ。

こういうことをすると、ちょっとでも批判的な書き込みがあったり自分の気に入らない書き込みがあったりすると、誰が書いたのかを突き止め、その人を攻撃する社員(大抵、役職者)が出てきます。
書き手がそういう意図を持っていなかったとしても、自由な意見に対して否定的な人はこのような行動を取ります。そういう話は、私も耳にしてきました。
一見遠回りに思えますが参加者を限定して導入しているのは、実はこういう人達の邪魔を防ぐ意図もあるのではないかと思います。大きな会社というのは、古い体質のどうしようもない人が一定の割合で存在するものですから。
 
SNS の場合、完全に匿名なのか社員を特定できるのかどちらの方法もとれますが、どちらなのか気になるところです。どうも内容を読むと実名での参加のようです。それは確かにハードルが高いでしょう。実名での書き込みで本当に"生の声"が出ているのかも気になるところです。
 
参加者の条件として、自宅にパソコンを保有していることとあるのは何を意味しているのでしょうか?まさか、書き込みは自宅でしろということなのでしょうか?つまり、SNS への書き込みは正規の業務として認めないと。
わざわざ帰宅してからでも書き込みをするような内容というのが、そんなにあるものなんでしょうか?
正式に社内の連絡手段として活用するなら、その制限を撤廃しなければならないでしょう。
 
どうも私としては、うまくいっているように紹介されているけど、実態はそれほどでもないような気がしてなりません。
実際のところ、どうなのでしょうか?