先週の自動車による殺害・傷害事件

今日を含めて先週の自動車の事故の記事を見ていて、人を引きずったまま運転して、被害者を死傷させるものが目立ちます。これらは単なるひき逃げではなく、運転者に未必の殺意があったと言えると思います。
刑事の話と民事の話がありますが、保険と関係のある民事の金銭的賠償について思ったことを書こうと思います。
 
「警官振り落とそうと100メートル=20歳専門学校生逮捕−大阪府警
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008102600095
時事通信 2008/10/26)

26日午前4時50分ごろ、大阪市住之江区南港中の交差点で、府警住之江署員がナンバープレートを折り曲げた乗用車が止まっているのを見つけた。車は、運転席に上半身を入れていた警部補(34)を乗せたまま発進、蛇行を繰り返し約100メートル走って止まった。警部補は右足に軽傷。

 
「14歳女子中生、ひき逃げで逮捕=自転車の男性重傷−大阪府警
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200810/2008101900007
時事通信 2008/10/19)

大阪市淀川区の路上で、自転車の男性を軽自動車で180メートル引きずり逃走、重傷を負わせたとして、大阪府警淀川署は18日、自動車運転過失傷害と道交法違反の容疑で、大阪府豊中市の公立中学3年の少女(14)を逮捕した。

 
「死因は3キロ引きずり=ズボンにタイヤ痕−大阪ひき逃げ」
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200810/2008102201027
時事通信 2008/10/22)

大阪・梅田の交差点で会社員鈴木源太郎さん(30)がはねられ、3キロ引きずられて死亡した事件で、鈴木さんは車との衝突ではなく、引きずられて重傷を負い死亡したことが22日、分かった。

 
任意保険の対人賠償については、人をはねてしまったことまでは事故として保険金支払の対象となりますが、人を引きずって運転したことによる死傷については故意と言えるでしょうから免責事由に該当すると思います。なお、稀に勘違いしている人がいますが、賠償責任があることと保険金支払対象になることはイコールではありません。
なお、2件目(中学生が親の車で事故)の場合は、運転者限定や運転者年齢限定が付いていたら、はねた分も保険会社は当然もたないでしょう。
つまり、被害者側より賠償請求があった場合、人を引きずって運転したことによる分は自前で支払うことになります。
ちなみに、どの保険会社でも交通事故を起こしたときには、真っ先にすることとして『警察に連絡せよ』でも『保険会社に連絡せよ』でもなく、『救助活動をせよ』と案内しているはずです。
 
飲酒運転については厳罰化により目に見えるほどの明らかな効果がありました。ひき逃げについても何か有効な策が出ることを望みます。
尤も、これは法律とかルールとかなくとも人としての良識があれば済む話で、それが欠如した人に対しては交通ルールよりも道徳を身に付けさせる必要があるかもしれません。
 
最後に、これらの事件につきケガをされた方の一刻も早い回復と亡くなった方の冥福をお祈りします。