明治安田生命の個人情報流出(其の弐)

10/28のブログ「明治安田生命の個人情報流出」で書いた件について、追加の情報がありました。情報流出範囲が実は過去にも及んでいたという内容です。
私の勘では、たぶんこの件についてこれ以上の情報流出範囲が広がったというニュースリリースは出てこないような気がします。寧ろ、明治安田生命は最初から情報流出範囲を全部調査の上で特定させた後に、ニュースリリースを出したかったのではないかと思えます。10/28は、意図しない所から流出のことが公開されてしまったので、やむなくニュースリリースを出した印象を受けます。
ただし、大阪営業関連以外からは同様の事例が出るかもしれません。当然、明治安田生命もその監督官庁である金融庁もそういうのがないか?ということを注意しているはずですが。
 
「個人情報の流出に関する追加情報について」
http://www.meijiyasuda.co.jp/profile/release/2008/pdf/20081031.pdf
明治安田生命保険相互会社 ニュースリリース 2008.10.31)
 
このリリース資料について、いくつか気になる点があります。

1.新たに対象情報が判明した経緯等
10月27日の公表後も、パソコンの外付けハードディスクの復元作業およびインターネット専門会社による調査を継続して実施しておりましたところ、10月30日深夜、新たに大阪職域FC営業部の過去の入社希望者(法人営業職)の方々の個人情報がインターネット上に流出していることが判明いたしました。

ここで言っている『パソコンの外付けハードディスクの復元作業』と追加で流出の事実が判明したことの相関関係がよく分かりません。そもそも、このパソコンというのは、誰のもののことなのかも不明確です。明治安田生命のパソコン(普通はサーバー)のことなのか、情報流出の張本人の個人のパソコンなのかどちらかはっきりしないということです。
 

2.新たに判明した情報の内容・規模
現在、詳細を確認中でございますが、現時点で、新たに約7,000名分の個人情報の流出を確認しております(27日公表分を含めると現時点で9,000名分の可能性)。
新たに流出した情報の内容は、2005年4月、2006年4月、2007年4月、および2008年4月の大阪職域FC営業部への入社希望者(法人営業職)に関する情報です。
・入社を希望した学生の、氏名・出身大学、約7,000名分(なお、住所、電話、メールアドレス、面接時の所見等が含まれているものもございます。)
なお、2009年4月付入社予定者(内定者)の氏名、大学、写真については、これまで45名分と公表しておりましたが、新たに39名分が流出していることが判明いたしました。

この内容を見るからに、おそらく10/27 の時と同じ人物からの流出と思われます。とすると、ここまではこの人物を尋問すれば容易に分かる内容で、あとはそのことの裏をとれば確定できます。
問題は、他の人物で同じようなことを起こした人がいないかどうか?です。大阪のこの人物が首都圏等の他の地域の情報を流出させていないことからすると、多分、地方毎に別のサーバーにファイルが保存されていて、そこもセキュリティがないに等しい状態だろうと推測できます。
大阪以外の地区においての流出の懸念は依然消えていないように思います。
 

3.ご迷惑をおかけした方々への対応等
新たに判明した方々につきましても、情報が流出したと思われるご本人さまおよび関係者(ご家族や学校関係者等)の皆さまに、個別にご連絡を差しあげたうえで、お詫びと事情説明を開始いたしました。
また、万一、被害等が発生した場合はもとより、ご不審な問い合わせなどがあった場合の弊社連絡先をご案内するとともに、誠意をもって対応させていただきます。
なお、今後につきましては、調査を継続するとともに、新たな情報の流出が確認できた場合には、速やかに公表いたします。

お詫びには金銭的なものが含まれると思います。それがいくらなのかちょっと興味があります。実際の被害が発生していない または立証できないことを理由に0円というのはちょっと考えにくいです。
おそらく、金額や経緯に関して日経コンピュータ誌あたりがシステム的な見地から記事にまとめてくれると思っています。