日本興亜損保の次期中期計画骨子

日本興亜損保の現在の中期経営計画「KAKUSHIN(革新・核心・確信)」は、2008年度が最終年度です。対サウスイースタンのこともあるのでしょうか、早々に次期中期計画の概要を同社サイトに掲載していました。
てっきり、どうにでも取れる玉虫色の文章がごちゃごちゃと書いてあるだけかと思いきやさにあらず、最後のページに具体的な数値目標が載っていました。これは、良い意味でちょっと期待を裏切られました。
なお、今年の秋頃の週刊ダイヤモンドの取材に対して、以下のように兵頭社長は最後に述べています。

また、成長戦略については、現在策定している中期経営計画を年末に発表するので見てほしい。

果たして、どういう成長の絵を描いたのでしょうか?
 
日本興亜保険グループの次期中期経営計画の骨子について」
http://www.nipponkoa.co.jp/news/whatsnew/2008/news2008_11_27_jikityuuki.pdf
日本興亜損害保険株式会社 ニュースリリース 2008.11.27)
 
通常、中期経営計画は3ヵ年計画とするのですが、今回のは2ヵ年です。

※収益拡大に向けた基礎固めを行い、成長分野への布石を打つ期間とし、早期に収益基盤を強化する必要があることから、計画期間を2年間としました。

これは、表向きには↑のとおりとしていますが、それは建前で何か裏に意図があるのではないかと感じられます。もし仮に建前じゃないとしたら、IT基盤の整備は実施したばかりなので、事務周りの基盤でしょうか?事業費率を改善するつもりもなさそうなので、それも外れのような気がします。
 
事故対応については、かなり強化するつもりのようです。事故受けじゃなくて、初期対応を24時間365日行うことを掲げています。

◇事故対応の高付加価値化により、最高のサービス提供を目指す

  • 24時間365日の初期対応(事故受付時のアドバイス・関係者への連絡・レッカー車手配等)の実施・拡充

富士火災の二番煎じのような気もしますが、それでもこれは体制を作るのが大変だと思います。
 
あと、最も目に付くのが、最後の数値目標です。
正味収入保険料は、なんとマイナス100億円!
正味事業費率は、大手社の中で最も高いにもかかわらず、現状すえおき!
かろうじて損害率はマイナスの目標としていますが、そんなの大きな台風が2,3個くれば吹っ飛びます。

なんだか、損保本業でやる気あるのか?と疑いたくなるような内容です。確かに、現実味のある目標(というよりも予測という表現の方が適切な気がします)ですが、特段何もしないと言っているようにも思えます。
それでも、不思議なことに、利益はちゃんと伸ばすことにしています。
なんだか不可解な中期経営計画という印象を受けます。