富士火災の増資と AIG

AIG が債務を返済するためにいくつかの部門を売りに出すという話があった時に、富士火災の株式はとっとと売りに出されて、AIG富士火災の関係は切れるんじゃないかと思っていたのですが、どうやらその逆の事態になるようです。
富士火災が第三者割当によって増資をして、それを AIG のグループ会社… AIGヨーロッパSA , アメリカンホーム保険会社, アメリカン・インターナショナル・アンダーライターズ・オーバーシーズ・リミテッド, AIU保険会社が引き受けるとのことです。そもそも、増資をしなきゃいけない理由の多くは AIG にあったのだから当然ではないかというツッコミもできますが、それは資金に余裕があればの話で、現状でグループ会社でもない富士火災をムリして助ける義理も余力も AIG にあるとは思えないことからすると、やはりちょっと驚きです。
 
「第三者割当による株式の発行および主要株主の異動に関するお知らせ」
http://www.fujikasai.co.jp/news/attach/0812112.pdf
富士火災海上保険株式会社 ニュースリリース 2008.12.11)
 
ニュースリリース資料を読んでいて気になったのは、くどいほど AIG との関係強化を示す表現が出てきていることです。
その中で最も気を引いたのが以下の部分です。

5.業績への影響の見通し
今回の資金調達により、当社の財務基盤の強化が図られ、さらに安定した経営基盤を構築することができると考えています。
なお、平成21年3月期の業績予想における影響はありません。なお、今般の第三者割当増資およびそれを受けたAIGグループとの関係強化を踏まえて、当社では可及的速やかに中期経営計画を見直す予定です。

中期経営計画を見直す予定とまでリリース資料で明言しています。どんな経営計画が出てくるのか興味津々です。