損保業界再編〜3社統合〜

保険業界再編が近々にあるんじゃないかという話が今年はちょくちょく耳にしていたのですが、全く思いもよらないところからニュースが上がってきました。
大手損保である業界2番手の三井住友海上火災保険株式会社,4番手のあいおい損害保険株式会社,6番手ニッセイ同和損害保険株式会社が統合の交渉に着手したというのです。
 
もし仮に統合したとしても、当面はそれぞれの会社のままでしょうが、事業費の圧縮をもくろむなら、バックオフィス業務や損害サービス業務は早めに一本化するかもしれません。逆に営業面ではすぐに一本化するのは難しいんじゃないかと思います。それと、本社部門…その中でも経理部門,総務部門,資産運用部門あたりは、比較的一本化しやすそうです。そして、一本化すると効果が非常に大きいのは、システム部門です。ここは数百人という規模ですから。ただし、これはシステムの統合作業が必須なので、数年がかりになる上にいろいろと各方面から圧力がかかって困難なことは分かっていますが。
余談ですが、三井住友海上,ニッセイ同和は、以前のブログ「ディスクロージャー資料のちょっと変わった見方」で書いたとおり、合併元会社の役員のバランスを割と均等にとる会社のようです。
 
この統合が現実的な話なら、直接関係する社員や代理店は当然として、それ以外の業界関係者も影響を大きく受ける話かと思います。
勿論、この三社以外の大手損保(東京海上日動火災保険株式会社株式会社損害保険ジャパン日本興亜損害保険株式会社)も傍観しているだけということはないと思います。少なくとも経営戦略を見直して、独立で行くのか他社との統合を検討するのかの方針は出してくると思います。
AIG の件に加えて、こちらも目が離せない状況になってきました。
 
「損保大手3社統合へ調整 金融危機が後押し」
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/081229/fnc0812290041000-n1.htm
産経新聞 2008.12.29)
三井住友海上、あいおい、ニッセイ同和が統合へ調整 業界首位に浮上」
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/081228/fnc0812282340002-n1.htm
産経新聞 2008.12.28)
 
三井住友海上・あいおい・ニッセイ同和が統合交渉 東京海上上回る」
http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/hotnews.aspx?site=MARKET&genre=c1&id=AS2C28004%2028122008
日経新聞 2008.12.28)

損害保険2位の三井住友海上グループホールディングス、同4位のあいおい損害保険、同6位のニッセイ同和損害保険の3社が経営統合の交渉に入ったことが28日、わかった。早ければ来年秋の統合をめざす。国内の損保市場は少子高齢化や自動車販売の低迷などで頭打ちになっており、統合による規模の拡大と合理化で生き残りを図る。

 
「損保統合:三井住友海上、あいおい、ニッセイ同和最終調整」
http://mainichi.jp/select/today/news/20081229k0000m020068000c.html
毎日新聞 2008.12.28)

損害保険大手の三井住友海上グループホールディングスあいおい損害保険ニッセイ同和損害保険の3社が09年秋にも経営統合することで最終調整に入ったことが28日明らかになった。統合が実現すれば、一般事業会社の売上高に当たる保険料収入の合計で東京海上ホールディングスを抜き、損保業界トップのグループが誕生する。
 (中略)
1月中にも最終判断する。統合の形式は持ち株会社方式が有力とみられ、将来的には合併も検討する。統合でシステム効率化などの経営合理化が図るとともに、営業基盤を拡大して競争力を高める効果が期待される。

「損保統合:再編第2幕加速も 大手3社最終調整で」
http://mainichi.jp/select/biz/news/20081229k0000m020088000c.html
毎日新聞 2008.12.28)
 
「損保3社が統合検討 三井住友・あいおい・ニッセイ同和」
http://www.asahi.com/business/update/1228/TKY200812280215.html
朝日新聞 2008.12.29)