あいおい損保・ニッセイ同和の合併と三井住友海上との統合（其の弐）
今頃になって漸く三井住友海上グループホールディングス株式会社とあいおい損害保険株式会社とニッセイ同和損害保険株式会社の統合の話題がマスコミから流れてきました。
３社は否定していますが、複数のマスコミで報道している内容なので大外しはないだろうと思います。
「３損保統合比率、１対０．１８対０．１８程度＝社名は「ＭＳ＆ＡＤ」有力」
http://www.jiji.com/jc/c?g=ind_30&k=2009091800271
（時事ドットコム 2009.9.18）
来年４月の経営統合を目指す三井住友海上グループホールディングスとあいおい損害保険、ニッセイ同和損害保険の３社が、新たに設立する持ち株会社１株に対する割り当て比率について、三井住友海上を１株、あいおい損保とニッセイ同和をそれぞれ０．１８株程度とする方向で調整していることが１８日、明らかになった。ただ、３社の交渉はまだ続いており、流動的な面もあるという。３社は９月末に経営統合の概要を発表する。
株主よりも社長主導で統合話が動いている NKSJ とは対照的に MS&AD は株主の意向が強く出ているようです。
統合作業自体も遅々として進んでいない気配が感じられますが、その理由も株主との調整にあると思います。8月30日の「あいおい損保・ニッセイ同和の合併延期観測 」で書いたこととやや異なりますが、統合作業もあまり順調に進捗しているとは思えません。
2010年4月に３社統合ということだけは決定で、それ以外について、全体のスケジュールをきちんと引いていない／予定どおりに進められていない可能性があるのではないかと見ています。社内融和や経理周りはなんとかなるかもしれませんが、システムの連結や商品施策や営業施策がそろそろ固まっていないと厳しいでしょうし、単に形がくっつくだけなら意味のある統合にはならないでしょう。
社名に関しては、NKSJ ほどではありませんが、MS&AD という名称は極めて案直だと思います。尤も、1月23日の発表資料では以下のように言っていたので、早い時期からこの名称は本命候補だったかもしれません。
それにしても、AD の部分は"あいおい"と"同和"の頭文字らしいのですが、あいおい損保とニッセイ同和は合併して新社名になったら、この部分は変更するのでしょうか？それとも、この合併会社の社名は"あいおい同和"とでもするのでしょうか？それは日本生命保険相互会社が認めないと思いますけど。
1月23日の「あいおい損保・ニッセイ同和の合併と三井住友海上との統合（其の壱）」の最後に統合会社における業務提携の推進について触れました。
でも、今のスピード感を見る限りでは、どうもこれも絵に描いた餅になりそうな気がします。
図体だけ大きくなっても、この様子では東京海上ホールディングス株式会社に敵わないでしょうし、その図体にしても遠くない将来に抜き返される可能性も高そうな気がします。
