損保業界再編=前哨戦=(其の弐)

昨日の三井住友海上火災保険株式会社あいおい損害保険株式会社ニッセイ同和損害保険株式会社の統合の件は、やはり意図しないところからリークした情報のようです。
本日、当事者の三社からコメントが出されていました。
 
「昨日ならびに本日の一部報道について」
http://www.msig.com/news/2008/1229_1/20081229sakujitunarabinihonjituniitibuhoudou.pdf
三井住友海上グループホールディングス(株) ニュースリリース 2008.12.29)
 
「当社と三井住友海上グループホールディングス(株)およびニッセイ同和損害保険(株)の3社の経営統合に関する一部報道について」
http://www.ioi-sonpo.co.jp/corporate/news/pdf/2008/20081229.pdf
あいおい損害保険株式会社 ニュースリリース 2008.12.29)
 
「昨日及び本日の一部報道について」
http://www.nissaydowa.co.jp/download/0812_02.pdf
ニッセイ同和損害保険株式会社 ニュースリリース 2008.12.29)
 
このコメントが出される早さはちょっと凄かったです。一番早かった三井住友海上グループホールディングスは、午前9時前にはコメントを出していました。おそらく、昨晩(日曜)か本日早朝にどうするか決め、サイト管理者に早出させて手を打ったのでしょう。これはコンティンジェンシープランがきちんと検討されていて、そのとおりに動けたと評価してもいいことかもしれません。
なお、そのコメントは三社ともいずれも判で押したように以下の内容でした。

・・・の経営統合に関する報道がなされましたが、現時点で公表すべき決定している事実はありません。

一見否定しているように見えますが、『事実ではない』と言っているのではなく、『公表すべき決定した事実がない』と言っていることから、ウラ読みすれば報道内容をほぼ肯定しているに等しいと解釈することができます。(マスコミが誤った内容を報じた場合は、はっきり『事実ではない』と書きます。)
 
でも、まだおそらく当事者とごく少数の人達の間で話があがっているだけの状態にすぎないと思われます。前回の再編のときは、一番手は三井海上日本火災興亜火災の三社合併だったはずが、銀行の横やりで三井海上が抜けました。同じようにステークホルダー次第では、まだ組み合わせが変わる可能性はゼロではないと思います。
特に大手6社(特に役員と大株主)にとって、統合は容易なことではないと分かっていますが、乗り遅れればジリ貧で負け組確定でしょうから、統合にメリットがあり、自分が統合後も有利になる相手と組みたいはずです。
この年末年始は、ウラでいろいろ動きそうな気がします。