損保業界再編=前哨戦=(其の四)

28日に報道された三井住友海上火災保険株式会社あいおい損害保険株式会社ニッセイ同和損害保険株式会社の統合の件について、またマスコミから新たな情報がありました。
ポイントは2点です。勿論、確定事項ではないでしょうけど。

  • あいおい損保とニッセイ同和は合併をする
  • 三社統合は2010年春を目途とする

また、2009年1月中に基本合意をするという情報が正しければ、その合意の事実はおそらくそれほど待たずに出てくるものと思われます。どんなに遅くなったとしても2009年6月の株主総会までには一定の情報が出てくるでしょう。2010年春が目途なら、そのタイミングしかありませんから。
 
実のところ、このニュースがあるまでは、3社が同時に三井住友海上グループホールディングスの下にそのままぶら下がるだけで、実態は当面(2年くらい)は変わらないだろうと思っていました。
そうでなくとも、来年の下期は保険法対応と火災保険・地震保険の改定で現場はかなりばたばたすると思われます。おそらく、自動車保険,火災保険,傷害保険などのリテール分野に関してはパンフレット,重要事項説明書,申込書etcの募集ツールの一斉切り替えが生じますし、募集時の注意事項(特に告知義務あたり)はうるさく指示が出ることになろうかと思います。
多分、保険法対応と火災保険・地震保険の改定のボールは現在は本社の商品管理部門が握っている状態(約款等の変更に関してまだ認可が下りていないはず)で、来年度上半期にシステム部門および本社の事務統括部門で準備をして、来年度下期に実施に向けて現場に降りてくるのではないかと思っています。これは、保険法施行のリミットがあることおよび地震保険の改定は2010年1月始期実施であることから、各社ほぼ同時期になる可能性が高いと睨んでいます。
こちらは大分見えている部分があるので、合併をするとしても、それが一段落してからだろうと思っていたのです。
 
このことを考えると、三井住友海上はともかく、あいおい損保とニッセイ同和はかなり大変なことになりそうです。
3社統合が2010年春で、それに先行して2社が合併をするなら、合併時期は2010年1月かもしれないと思っています。
なぜなら、「保険法対応と火災保険・地震保険の改定」と「合併対応」を同時にやるのでなければ、帳票の大量廃棄に伴うコストや手間の問題が出てきますから。
 
「あいおいとニッセイ同和、2社が先行合併 損保3社経営統合
http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/hotnews.aspx?site=MARKET&genre=c1&id=AS2C2901O%2029122008
日経新聞 2008.12.30)
 
「あいおい、ニッセイ同和が先行合併へ=損保3社統合、10年春に」
http://www.jiji.com/jc/c?g=ind_30&k=2008123000175
時事通信 2008.12.30)

三井住友海上グループホールディングス(HD)〈8725〉、あいおい損害保険〈8761〉、ニッセイ同和損害保険〈8759〉の3社が検討している経営統合で、あいおいとニッセイ同和の合併を先行させる案が有力となっていることが30日分かった。両社が合併した後、三井住友海上火災保険とともに新たな持ち株会社の傘下に入る方向で検討。2009年1月中に基本合意し、10年春の経営統合を目指す。

  
「3損保統合:あいおいとニッセイ同和、先行合併案」
http://mainichi.jp/select/biz/news/20081231k0000m020061000c.html
毎日新聞 2008.12.30)