損保ジャパンのリスクマッピングシステムの提供サービス

昨年のニュースリリースですが、株式会社損害保険ジャパンがリスクマネジメント用のツールである「リスクマッピングシステム」をインターネット上で無料公開したとのことです。
「インターネット上で「リスクマッピングシステム」の提供を開始」
http://www.sompo-japan.co.jp/news/download/200812251400.pdf
(株式会社損害保険ジャパン ニュースリリース・トピックス 2008.12.25)
 
リスクコンサルタント業務は、企業向けの新種保険を扱っている損保なら随分昔からやってきたことです。ただ、専門的な知識やノウハウの必要な業務なので、こなせる量は抱えている人材が限度であまりに手広くやるには向かないものだろうと思います。
そこにITを組み合わせて、リスクコンサルタント業務の一部分について、誰でも使えるようにして公開したということのようです。
勿論、それのIT化の前提として専門的な知識やノウハウをロジック化することが必要ですし、逆にロジック化可能な範囲が「リスクマッピングシステム」の対象となっているはずです。
損保ジャパンにおいて以前からあった「リスクマップ作成サービス」が、精度面や利用面において一般公開可能なレベルまで上がったから、「リスクマッピングシステム」としてこうして公開されたのでしょう。
 
利用する企業にとって無料でこの仕組みが使えるというメリットのみならず、損保ジャパンにとってもメリットの多い施策だと思います。
短期的には、利用した企業からのリスクマネジメントに関する更なる問い合わせをきっかけに営業活動ができるという点があります。
長期的には、収集したデータを利用して潜在的なマーケットニーズや業種別のリスク分布から新商品の開発や営業施策に役立てることができそうです。
自社のナレッジの所有と公開のバランスから見ても、なかなか良い選択をしたように思えます。