アクサダイレクトの入院手術保険の疑問

アクサ損害保険株式会社の入院手術保険が4月1日に改定されるというニュースリリースが同社のサイトにありました。
毎度のことですが、アクサダイレクトは自社サイトへのニュースリリースの更新が遅いです。ダイレクト系損保だというのに、日経新聞ニュースリリースよりも1日以上も遅いのですから尋常ではありません。
 
改定内容は置いておくとして、アクサダイレクト入院手術保険そのものについて気になったことがあります。
この商品は、申込手続きをインターネット完結で行うことができるとサイトや重要事項説明書に書かれています。そして、重要事項説明書のP.32には、以下のように解約返れい金がないことが明記されています。
「重要事項説明書」
http://www.axa-direct.co.jp/md/Utility/img.pdf

■保険料払込期間中、入院手術保険および付帯されている特約を解約された場合、解約返れい金はありません。
・入院手術保険
 ・保険料払込期間中 :解約返れい金はありません。
 ・保険料払込期間経過後:入院保険金日額の10倍を解約返れい金としてお支払いします。
 (保険料払込期間満了の日までの保険料が全額払い込まれていることを要します。)
・先進医療特約
 ・保険料払込期間、保険期間を通じて解約返れい金はありません。
がん保険料免除特約
 ・保険料払込期間、保険期間を通じて解約返れい金はありません。

 
保険業法施行規則によると、解約返れい金があるにもかかわらず予定解約率により解約返れい金を支払わないように設計された保険に関しては、解約返れい金がないことを説明した書面を交付して説明し、書面を受け取った旨の署名または捺印が必要であることの定めがあります。

(事業方法書等の審査基準)
第十一条  法第五条第一項第三号 ホに規定する内閣府令で定める基準は、次に掲げる基準とする。
  (略)
六  保険契約者に対して、第五十三条第一項第一号から第四号までに定める書面を交付した上で、当該保険契約者から当該書面を受領した旨の署名又は押印を得る措置が明確に定められていること。
  (略)

(業務運営に関する措置)
第五十三条 保険会社は、法第百条の二 の規定により、その業務に関し、次に掲げる措置を講じなければならない。
一  第七十四条第一号イ及び第三号に掲げる保険契約(第八十三条第一号ロ及びニに掲げるものを除く。第五号から第七号までにおいて同じ。)の保険募集に際して、生命保険募集人又は損害保険募集人が、保険契約者に対し、次に掲げる事項を記載した書面の交付により、説明を行うことを確保するための措置
イ 特別勘定に属する資産(以下この号、第五号及び第六号において「資産」という。)の種類及びその評価の方法
ロ 資産の運用方針
ハ 資産の運用実績により将来における保険金等の額が不確実であること。
二  保険金等の額を外国通貨をもって表示する保険契約(第八十三条第三号に掲げる保険契約のうち、事業者(法人その他の団体及び事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人をいう。以下同じ。)を保険契約者とするものを除く。)の保険募集に際して、生命保険募集人又は損害保険募集人が、保険契約者に対し、保険金等の支払時における外国為替相場により本邦通貨に換算した保険金等の額が、保険契約時における外国為替相場により本邦通貨に換算した保険金等の額を下回る場合があることを記載した書面の交付により、説明を行うことを確保するための措置
三  保険料の計算に際して予定解約率を用い、かつ保険契約の解約による返戻金を支払わないことを約した保険契約の保険募集に際して、生命保険募集人又は損害保険募集人が、保険契約者に対し、保険契約の解約による返戻金がないことを記載した書面の交付により、説明を行うことを確保するための措置
四  既に締結されている保険契約(以下この号において「既契約」という。)を消滅させると同時に、既契約の責任準備金(第十条第二号の規定にかかわらず、被保険者のために積み立てられている額をいう。以下この号において同じ。)、返戻金の額その他の被保険者のために積み立てられている額を、新たに締結する保険契約(以下この号において「新契約」という。)の責任準備金又は保険料に充当することによって成立する保険契約(既契約と新契約の被保険者が同一人を含む場合に限る。)の保険募集に際して、生命保険募集人又は損害保険募集人が、保険契約者に対し、次に掲げる事項を記載した書面の交付(イに定める事項の記載にあっては、既契約と新契約が対比できる方法による。)により、説明を行うことを確保するための措置
イ 既契約及び新契約に関する保険の種類、保険金額、保険期間、保険料(普通保険約款及び給付のある主要な特約ごとに記載するものとする。)、保険料払込期間その他保険契約に関して重要な事項
ロ 既契約を継続したまま保障内容を見直す方法がある事実及びその方法
  (略)

 
アクサダイレクトの入院手術保険は、署名または捺印の取り付けが必要な商品であると思われます。
当たり前ですが、署名または捺印の取り付けは紙でなければできないことです。しかし、この商品はインターネット完結を謳っています。
矛盾しているように思えますが、どうなっているのでしょう?