東京海上がダイレクト系損保設立準備

昨日のブログ「東京海上がダイレクト系損保設立?」日経新聞の記事を元に書きましたが、正式に当事者の東京海上ホールディングス株式会社NTTファイナンス株式会社ニュースリリースを出しました。
「共同出資により新損害保険会社開業に向けた準備会社を設立」
http://ir.tokiomarinehd.com/ja/NewsRelease/NewsRelease-8473889249332537304.html
東京海上ホールディングス株式会社 News Release 2009.1.22)
「共同出資により新損害保険会社開業に向けた準備会社を設立」
http://www.ntt-finance.co.jp/news/090122.html
NTTファイナンス株式会社 最新情報 2009.1.22)

1.準備会社の概要
(1)商号: イーデザイン損保設立準備株式会社(予定)
(2)設立日:2009年1月26日(月)(予定)
(3)本店所在地:東京都新宿区西新宿3丁目20番2号
             東京オペラシティビル 13階
(4)資本金(準備金含む):70億円
(5)出資社:東京海上ホールディングス株式会社 85.01%
       NTTファイナンス株式会社    14.99%
(6)代表者:取締役社長 日暮 則武
(7)事業内容:①保険業法に基づく損害保険事業免許の取得およびそれに要する申請手続き
        ②損害保険事業に必要なインフラの構築準備
 
2.業務・資本提携の目的
両社は本業務・資本提携を通じて、新損害保険会社を設立し、両社のノウハウ等を融合し、携帯電話を通じたモバイル・ネットなどのビジネスモデルを使ったお客様対応を指向していきます。
(1)東京海上ホールディングス株式会社は、東京海上グループが有するこれまでの損害保険の引き受けや損害サービスに関するノウハウ等を提供することで新損害保険会社の事業展開をサポートしていきます。
(2)NTTファイナンス株式会社は、NTTグループが有する事業ノウハウや技術力の活用等の支援を行うことにより、NGN(Next Generation Network)やモバイル・ネットなどを活用した新損害保険会社における新たなビジネスモデルの構築をサポートしていきます。
 
3.今後の見通し
準備会社は今後、関係当局の認可取得を前提に、2009年度速やかに新損害保険会社へ移行し、自動車保険分野における損害保険事業を展開してまいります。
なお、準備会社が今年度業績に与える影響は、軽微であります。

 
さて、この新会社はどんな特色を出してくるのでしょうか?
親会社の資源の利用や思惑が反映するという前提で勝手に推測してみました。
 
当然に、損害サービス網は東京海上日動火災保険株式会社のものを使うでしょう。また、売る商品は十中八九、トータルアシスト(総合自動車保険)とほぼ同じもので、保険料を低廉にしたものと推測されます。このあたりは、あいおい損害保険株式会社SBI損害保険株式会社アドリック損害保険株式会社の設立経緯や現状から類推されます。(SBI損保,アドリックの個人総合自動車保険は、あいおい損保の1世代前のトップラン(個人総合自動車保険)とほぼ同じです。なお、今のトップランはSBI損保,アドリックが開業した後で改定されたものになっているので、異なっています。)
 
一方、NTT色も必ず出るはずです。
次世代ネットワーク(NGN)と自動車保険販売…あまりピンときませんが、これを利用して、現在のダイレクト系損保が手を付けていない分野…自動車保険のネットでの団体扱に乗り出してくるかもしれません。NTT の資源を活用すれば、システム構築はそれほど困難ではないでしょうし、次世代ネットワークを推進したい NTT としても事例を増やすために前向きに取り組むものと思われます。また、団体扱を売り込むには営業力が必要ですが、そこは東京海上日動がサポートすれば、それほど非現実的ではないように思えます。少なくとも、現存するダイレクト系損保よりは有利でしょう。
もう1つは、モバイル、つまり、携帯での自動車保険の販売です。これはイメージはし易いのですが、やや時期尚早ではないかと思います。募集の仕方を含めて、新損保設立後(損保の事業免許を得てから)に募集の仕方を含めて調査・研究し、2年後くらいに販売開始するのではないかと予想しています。