あいおい損保・ニッセイ同和の合併と三井住友海上との統合(其の壱)

例の3社(三井住友海上グループホールディングス株式会社あいおい損害保険株式会社ニッセイ同和損害保険株式会社)の合併・統合の件については、これまでマスコミからの情報を元に以下のブログで取り上げてきました。
「損保業界再編〜3社統合〜」
「損保業界再編=前哨戦=(其の弐)」
「損保業界再編=前哨戦=(其の四)」
「損保業界再編=前哨戦=(其の六)」
「損保業界再編=前哨戦=(其の七)」
 
そして、本日、とうとう当事者の3社から正式にニュースリリースがありました。ちなみに3つともまったく同じものです。
あいおい損保ニッセイ同和損保三井住友海上グループによる経営統合および業務提携に関する協議の合意について 」
http://www.msig.com/news/2008/0123_1/20090123keieitougou.pdf
三井住友海上グループホールディングス株式会社 ニュースリリース 2009.1.23)
あいおい損保ニッセイ同和損保三井住友海上グループによる経営統合および業務提携に関する協議の合意について」
http://www.ioi-sonpo.co.jp/corporate/news/pdf/2009/20090123.pdf
あいおい損害保険株式会社 ニュースリリース 2009.1.23)
あいおい損保ニッセイ同和損保三井住友海上グループによる経営統合および業務提携に関する協議の合意について」
http://www.nissaydowa.co.jp/download/0901_03.pdf
ニッセイ同和損害保険株式会社 ニュースリリース 2009.1.23)
 

(1) 統合時期
2010年4月の経営統合を目指します。
(2) 統合方法
あいおい損保ニッセイ同和損保および三井住友海上グループの経営統合は「持株会社方式」によるものとし、経済合理性および法的手続きの簡略化等のため、三井住友海上HDを新たに形成される保険金融グループの持株会社として活用いたします。具体的には、あいおい損保およびニッセイ同和損保持株会社とそれぞれ株式交換を行い、経営統合を実施すると同時に2社で合併を行います。
これにより、三井住友海上あいおい損保およびニッセイ同和損保の合併会社(以下「合併会社」)はグループの中核損害保険会社として並存することになります。

一時期、先にあいおい損保とニッセイ同和の2社が合併した後に、三井住友海上HDの下にぶら下がる形で統合する案が検討されたようですが、それは結局ボツになったようです。
 

(4) 持株会社傘下の保険会社の再編
目指す企業グループ像実現に最も資する体制とすべく、事業環境を踏まえ、合併会社と三井住友海上の機能・分野別再編およびさらなる合併を選択肢として、統合後スピード感を持って検討いたします。
また、損害保険のお客さまへの生命保険販売を主要な成長戦略とする持株会社傘下の三井住友海上きらめき生命あいおい生命については、シナジー追求の観点から再編・統合に向けた協議を進めてまいります。

当面は損保会社は2社体制ですが、機能・分野別再編をするとのことなので、何かの基準で扱う範囲を分けて住み分けるようです。
確かに、それは合理的だし、次の合併に向けた準備として妥当です。
ホール/リテールで分けるのが、ここ数年のトレンドです。契約管理や事務を考慮するなら、種目別に分けるのが適当です。さすがに、地域で分けるという選択肢はないでしょう。
しかし、両方の損保(合併会社と三井住友海上)とも、全方位でやっていて、規模も大きいです。どういう基準で住み分けるのか?非常に興味深いです。
それと、ここには生保子会社のことしか書かれていませんが、それ以外の関連会社をどうするのかも興味があります。
 

3.業務提携の推進
あいおい損保ニッセイ同和損保および三井住友海上は、グループシナジーを追求し、次に掲げる事項について早期の業務提携を推進してまいります。
(1) 海外事業・新規事業の共同展開・拡大
(2) 各種基幹システムおよびサーバー系システムの共有
(3) 代理店教育制度・システム・ツールの共有および教育の共同実施
(4) 新商品・サービスの共同開発
(5) 国際会計基準金融商品取引法会社法等に対応した経営基盤の共通整備

合併・統合によるメリットを早く享受するための手段を具体的に出してきました。
前にも書きましたが、このうちで大きくて難しいのは、(2)の各種基幹システムの部分です。ここを如何に早くうまく完了させるかによって、全体の成否のカギを握ることになるんじゃないかと思っています。