ソニー損保の2008年度の数字

ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社が2008年度の決算短信を公表しました。勿論、その中にはソニー損害保険株式会社の数字も出ています。
「2008年度決算短信(日本会計基準)のお知らせ」
http://www.sonyfh.co.jp/ja/financial_info/er/090514_01.pdf
ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社 ニュースリリース 2009.5.14)

<損害保険事業>
経常収益は、主力の自動車保険を中心に順調な業容の拡大を見込んでいることから、平成21年3月期実績より5.5%増の653億円を見込んでいます。経常利益は、経常収益の増加を見込む一方、損害率が上昇する見込みであること、および事業費率もシステム関連費用等の増加により上昇する前提であることなどから、平成21年3月期実績より44.9%減の12億円を見込んでいます。

2008年度の経常利益は前年度に比べると減益だそうです。しかし、減益とは言え2,178百万円の黒字です。自動車保険主体であることを考慮しても、他の損保から見れば羨む数字かと思います。
↑の引用は次年度の予想です。次年度は随分と経常利益を控え目に予想しています。事業費のコメントを見ると、基幹システムの再構築でも行いそうな雰囲気がします。一方で、損害率の上昇を織り込むということは、逆の見方をすれば保険料の値上げを予定していないとも取れます。(∵保険料の値上げをすれば損害率が下がるため。)
 
また、国内機関投資家・アナリスト向けテレカンファレンス時の資料も同時に公開しています。
「2008年度 連結業績のご説明」
http://www.sonyfh.co.jp/ja/financial_info/ir_material/090514_01.pdf
「2008年度 連結業績のご説明(説明要旨付)」
http://www.sonyfh.co.jp/ja/financial_info/ir_material/090514_02.pdf
ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社 投資家向け情報 > IR説明会資料 2009.5.14)

当年度の経常収益は、自動車保険を中心に契約獲得が好調に推移したことから、前年度比11.2%増加の618億円となりました。
一方、経常利益は、自然災害による支払保険金の増加等により、22.7%減少の21億円となりました。



経常利益は前年度に比べて減益となっていますが、先に述べたとおり黒字であること、また収入保険料は増収していることから、同業他社と比べて非常に良い成績と言えます。しかも、コンバインドレシオが81.7%です。大手損保でもコンバインドレシオが90%を切ることはありませんから、この数字も驚異的です。
そして、2008年度は自動車の新規販売が振わなく、自動車保険も業界全体で不調でしたが、その状況下において契約件数を着実に伸ばしています。おそらく、ダイレクト系損保は他社もこの傾向が見られるのではないかと思われますが、実際にこうして実績を見るとその強さを感じます。東京海上日動イーデザイン損保を作って参入しようとする気になるのも分かるような気がします。(最近、聞きませんがどうなったのでしょう?)
 
大手6社の状況は2008年度は散々だというのはマスコミで既に報道されていますが、他のダイレクト系損保がどうなのかはちょっと気になるところです。