アクサダイレクトの複数所有新規適用漏れ

アクサ損害保険株式会社において、自動車保険の複数所有新規の適用漏れがあったことについて、同社からアナウンスされています。なお、日付が4日前となっていますが、このアナウンスがサイトに載ったのは6月30日のようです。
「ご契約内容のご確認にかかわる取組みとお客様へのお願い」
http://www.axa-direct.co.jp/info/inform090624.html
アクサ損害保険株式会社 アクサダイレクトからのお知らせ 2009.6.26)

この度、自動車保険契約につきまして、複数所有新規割引(7等級)の適用対象契約であったにもかかわらず、同割引が適用されずに契約(6等級)が締結された事例が確認されました。同割引につきましては、インターネットによるお申込みは受け付けておらず、カスタマーサービスセンターでのご案内を行っておりますが、インターネットからカスタマーサービスセンターへの手続きへの誘導が不十分であったことが、同割引が適用されずに契約(6等級)が締結された主な原因です。

アクサダイレクトにおける新規契約の入口は、大抵、保険料比較サイトか自社サイトでしょう。保険料比較サイトにおいては、純新規と複数所有新規をきちんと区別して見積もりするように対応していない所もあります。しかし、最初が保険料比較サイトであっても、結局は自社サイトでの契約手続きとなると思われます。
つまり、複数所有新規の適用漏れを防ぐには、如何に自社サイトで分かるように説明するかに尽きると思います。
 
アクサダイレクト自動車保険の試算画面の入口に入ってみました。すると、2番目の画面[契約者について]の最初で、他社切り替えか新規か分岐するようになっており、そこの質問が以下のようになっています。※印は、この問題が判明してから比較的最近に付けられたものかもしれません。

2.はじめて車を取得し、自動車保険の加入を検討しているまたは
13ヶ月以上前に自動車保険に契約していた(現在は契約していない)が、今回新たに別の車を取得し自動車保険の加入を検討している
※現在、他のお車の自動車保険契約がある場合、複数所有新規割引の対象となる可能性があります。対象となる場合は、インターネット見積をご利用いただけません。フリーコールまでご連絡ください。

なるほど、一応注意喚起はしています。が、分かりやすいとはまだまだ言い難い状態だと思います。対応が容易な入口が自社サイトの場合であって、これですから保険料比較サイトの場合は推して知るべしだと思います。
 
それと気になるのは、フリーコールしてしまうとインターネット割引はどうなるのでしょう?
どうも複数所有新規はインターネットでの見積もりはできないようです。そして、もしも複数所有新規の契約はインターネットでの契約申込ができず、インターネット割引が適用されないのなら、複数所有新規7等級で契約するよりも、純新規6等級として契約した方が、その契約においては安く済む可能性があります。勿論、等級進行が1年遅れるので長い目で見たら損ですけど。
このような場合に、契約者がどのように行動するだろうかということを、アクサダイレクトは真剣に考えるべきだと思います。

当社は、今後も引き続き、カスタマーサービスセンターでのご案内の徹底、ホームページ上の案内文の改良や「契約概要・注意喚起情報」「重要事項説明書」・各種帳票の改善対応を進め、また、「複数所有新規割引」等が正しく適用されているかの確認を行うなど保険料の適正性に係る点検を実施してまいります。今後におきましてもダイレクト販売の特性を活かした最適な保険商品と魅力的で合理的な保険料を分かりやすくお客様にご提案するため、最大限努力して参ります。

アナウンスでは、以上のように述べていますが、これは結局契約者に責任を押し付けているだけのように私は感じます。それよりも、複数所有新規をフリーコールではなく、インターネットで見積もり・契約申込を可能にすることを第一にすべきではないかと思います。
 
アクサダイレクトに限らず昔からの既存損保を含めて、契約者に説明さえすれば、後は契約者の責任であるという態度が感じられる保険会社が多いように感じます。
重要事項説明書を始めとする多くの説明資料や各種チェックシートの氾濫がそのことを物語っています。保険会社はもっと知恵を絞って、説明がなくとも間違いが起こらない仕組みを作ることに努力すべきだと思います。