業界横並びと各社マターの境目(飲酒運転と自動車保険)
備忘のために、2009年7月1日時点で、各社リテール向け自動車保険を特定の項目について記しておくことにします。
飲酒運転の場合、自動車保険は対人賠償と対物賠償は下りるけど、それ以外は保険金が支払われないこととなっています。ここまでの話なら、常識とも言えることで保険会社による違いはありません。
しかし、飲酒運転の定義はどうなっているのか?と突っ込むと、必ずしも各社同一とはなっていません。
冒頭に書いたとおり、2009年7月1日始期における各損保の自動車保険の約款を調べてみました。
現在の損害保険料率算出機構の標準約款での飲酒運転の記載は以下のとおりです。
酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいいます。)で被保険自動車を運転している場合
そして、以下のように道交法の酒気帯び運転を免責にしている約款もあります。寧ろ、今ではこちらの方が多数派かもしれません。こちらは標準約款よりも厳しい内容です。
酒気を帯びて(道路交通法第65条第1項違反またはこれに相当する状態をいいます。)で被保険自動車を運転している場合
調べた対象は以下のとおりです。
- 東京海上日動火災保険株式会社のトータルアシスト(総合自動車保険)
- 株式会社損害保険ジャパンのONE-Step(個人用自動車総合保険)
- あいおい損害保険株式会社のトップラン(個人総合自動車保険)
- 日本興亜損害保険株式会社のカーBOX(くるまの総合保険)
- ソニー損害保険株式会社の総合自動車保険 Type S
- 三井ダイレクト損害保険株式会社の総合自動車保険ダイレクト?
- そんぽ24損害保険株式会社の通信販売用総合自動車保険
- SBI損害保険株式会社の個人総合自動車保険
- イーデザイン損害保険株式会社の自動車保険
- チューリッヒ保険会社のスーパ自動車保険
- アクサ損害保険株式会社のアクサダイレクト総合自動車保険
- アメリカンホーム保険会社のファミリー自動車総合保険
結果は下表のとおりになりました。
ここでもやはりダイレクト系損保は概ね標準約款どおりで、大手損保を中心に手を加えているといった感じです。
アクサダイレクトは何がきっかけにこうしたのかよく分かりません。SBI損保とイーデザイン損保は「業界横並びと各社マターの境目(車両保険の費用保険金)」の時と同じで、大手損保の商品をベースにしたので、異なっているのでしょう。