震災パートナーズのディスクロージャー誌より

個人的に注目している会社の1つに日本震災パートナーズ株式会社があります。
震災パートナーズは日本の地震リスクに特化した少額短期保険業者で、保険料設定の兼ね合いと再保険を主としたリスク移転のバランスで収支をコントロールしているのではないかと思われますが、それは非常に困難だろうというのは想像に難くないし、うまくやっていけるのか興味のあるところです。
その震災パートナーズの2009年のディスクロージャー誌が公開されていたので見てみました。
 
正味収入保険料を見ると、2006年度:-47百万円,2007年度:-72百万円とマイナスだったのが、2008年度:26百万円とプラスに転じています。正味収保がマイナスとなる要因は、再保険料が収入保険料を上回っていたことでしょう。それがプラスになったのは、元受保険料が増加したことも寄与しているはずですが、それ以外に、再保険市場で日本の地震リスクが低く見られるようになった/あるいは安くするよう交渉したとか、出再するリスクの量を減らしたとかが考えられます。
ソルベンシーマージンが下がっていることから推測すると、後者の影響によるものと思います。
一方で、支払保険金・支払備金はこの3か年でなし…つまり、保有する契約において地震被害に遭った人はいないということです。これは、保有契約がまだまだ少ないのが最たる理由だと思います。
とは言え、正味収保が↑に書いたような状況ですから、保険引受利益も経常利益も相変わらず真っ赤です。今年で第4事業年度に入りますが、5年単黒は難しそうです。
 
震災パートナーズの保険は、損保の地震保険とかぶっても重複保険にならないのは強みです。従って、競合他社はないに等しい状況ですから、1社で持てるリスク量にもよると思いますが、とにかく知名度を高め、契約量を増やすことが課題でしょう。
厳しい状況が続くと思いますが、非常に興味深い会社なので破綻などせずに存続してほしいものです。