損保ジャパンの訪日中国人向け海外旅行保険

株式会社損害保険ジャパンが、11月1日から日本に来る中国人を対象とした海外旅行保険を販売するとのことです。
「訪日中国人向けメディカルサポートサービスを開始」
http://www.sompo-japan.co.jp/news/download/20091026_1.pdf
(株式会社損害保険ジャパン ニュースリリース・トピックス 2009.10.26)

株式会社損害保険ジャパン(以下「損保ジャパン」、社長 佐藤 正敏) は、日本財産保険(中国)有限公司(以下「損保ジャパン中国」、社長 川瀬 治)を通じて、訪日中国人向けメディカルサポートサービスをセットした海外旅行保険『漫遊桜花』(マンヨウインホア)を、11月1日から提供します。本商品は、日系の中国現地企業向けに提供するもので、現地従業員が短期出張で訪日する際の不安を取り除くため、中国語による医療機関紹介・医療通訳サービスや提携医療機関におけるキャッシュレスサービス(無料)をセットした海外旅行保険です。

実際に保険の募集・引受をするのは、中国において損保ジャパン中国が行うとのことです。そして、付帯サービスと事故処理は損保ジャパンが行うようです。
新商品発売時や外国での査定網や付帯サービスの提供網の構築は、自社でやるにせよ業者と組むにせよ1からやらなければならないので大変だと思われます。しかし、今回の損保ジャパンのケースは既存の自社の国内における査定網などがほとんどそのまま使えるでしょうから、比較的少ないコストで収益を上げられると思います。うまい手を考えたもんです。
また、中国の保険会社が海外旅行保険を一般的に販売しているともあまり思えないので、もしそうだとしたら、契約する側にとってもおいしい話だと思います。
商品概要と付帯サービスは以下のとおりです。

2.『漫遊桜花』の商品概要
(1)引受保険会社:損保ジャパン中国
(2)販売対象先:日系の中国現地企業
(3)補償対象者:日系の中国現地企業が雇用し、商用で訪日する従業員
(4)商品の特徴
 ①けがによる死亡、けが・病気の療養費用に絞ったシンプルな補償
 ②日本滞在中だけでなく、中国出発から帰国までの間、一貫して補償
 ③1か月以内の短期出張を対象
 ④日本におけるメディカルサポートサービスのセット
 
3.メディカルサポートサービスの内容
(1)中国語による医療機関の紹介・医療通訳サービス
医療用語等に精通した中国語に対応できるデスクスタッフを配置し、補償対象者の諸症状の確認や医療機関の紹介を行うほか、補償対象者と医師の意思疎通を電話でサポートします。
(2)提携医療機関でのキャッシュレスサービス
医療機関と提携し、補償対象者が診察を受ける際の窓口における支払を不要にします。これにより、「クレジットカードが使用できない」、「現金の持ち合わせが無く会計ができない」などといった支障を解消します。

これを見ると、販売先はかなり限定していることが分かります。しかも、行先は日本ですから、料率水準も概ね分かっているため、損害率は安定して推移するものを思われます。
 
これを見てふと思ったのですが、日本の損保会社が外国の損保会社と業務提携して、訪日外国人向けの海外旅行保険を販売するのはアリかもしれません。