全労済の保険法対応

今年の4月から施行される保険法は共済も対象となります。全国労働者共済生活協同組合連合会から、保険法施行に伴う共済の内容変更に関するお知らせがリリースされています。
「保険法施行に関するお知らせ」
http://www.zenrosai.coop/zenrosai/topics/2010/100113.php
全国労働者共済生活協同組合連合会 全労済からのお知らせ 2010.1.13)
内容は、保険会社が行うのと同じように保険法対応を共済にどのように対して行うのかというもので、そこそこのボリュームで説明されています。
興味深いのが、保険金の支払期限(保険法でいう保険給付の履行期)のところです。標準的な支払期限は保険会社では、損保は30日、生保は5営業日または5日と異なっています。全労済は同じにするのかと思いきや、そこは損保系共済は30日、生保系共済は10営業日と別々のままにしました。その一方で、特別な事情がある場合の支払期限は統一しています。

 
↓は、ちょっと違うのでは?と思います。

3.被共済者による解除請求 - 被共済者による契約の解除ができるようになります -
共済契約者と被共済者が異なる死亡共済契約または傷害疾病定額共済契約において、被共済者がいったん共済契約について同意をしても、その後に共済契約者や共済金受取人との間の信頼関係が破壊された場合や、同意の基礎となった事情が著しく変わった場合には、被共済者から共済契約者への解除請求を認める規定(被共済者離脱制度)が新設されました。
お取扱いとしては、被共済者から共済契約者に解除請求を申し出ていただくことになります。(こくみん共済、団体生命共済、新総合医療共済、新せいめい共済、いきいき応援、交通災害共済、団体ねんきん共済、ねんきん共済が対象)

共済契約者と被共済者の信頼関係が破壊された場合は、被共済者が共済契約者経由の解除請求ではなく、共済者に直接解除請求をしなければ意味がないのではないでしょうか?
ほとんどの損保では、原則として保険契約者経由ですが、特定の条件の場合に限り被保険者から保険会社に直接請求できるよう規定しているようです。
 
損害保険契約の重複保険に関する規定も保険会社と異なる部分があります。保険法第20条(重複保険)では、独立責任額全額方式が規定されていますが、全労済の火災共済については独立責任額按分方式としています。

5.重複契約 - 他の契約がある場合の支払方式について -
   (略)
この規定は「任意規定」であり、保険会社でどの支払方式を採用するかを選択できるため、全労済では、自然災害保障付火災共済、社会貢献付エコ住宅専用火災共済についてはこれまでどおり、他の損害保険(共済)契約が締結されている場合には、共済金を按分支払いする方式(独立責任額按分方式)を継続します。なお、支払方式が異なっていても、支払われる共済金(保険金)の総額は同じです。

 
イカー共済,火災共済,こくみん共済等の「ご契約のしおり」(約款に相当する共済事業規約が含まれています)と「ご契約のてびき」(重要事項説明書に相当します)をサイトより入手してみたのですが、そこにあったのは残念ながら現行バージョンで保険法対応前のものでした。従って、約款レベルでの確認は現時点ではできていません。
今回のリリースを見る限りでは、保険法対応以外の変更は行われていないように思われます。