会社の開示ルールと保険業界
2月8日に「SBIアクサ生命の株式譲渡」で、SBIアクサ生命保険株式会社の株式をSBIホールディングス株式会社がアクサ ジャパン ホールディングス株式会社に譲渡したことを書きました。
そのことに関連するのではないかと思われる内容を東京証券取引所のサイトで見つけました。
「上場制度整備の実行計画2009」
http://www.tse.or.jp/rules/seibi/index.html
(東京証券取引所 上場商品 / 制度・規制 > 上場制度の総合整備 > 上場制度整備の実行計画)
上場制度整備の実行計画2009(速やかに実施する事項)の進捗状況(2009年12月30日公表)の中に「(7)上場会社の企業グループ化への対応」の「「速やかに実施する事項」の内容」として、以下の内容が書かれています。
○ 親会社単体だけではなく企業グループ全体としてコーポレート・ガバナンスの充実を実現させる観点から所要の環境整備を図る。
(略)
- 中核子会社を有する上場会社には、当該子会社が経営上の重要事項を決定する際などに、企業グループとしての説明責任を果たすよう、当該子会社の経営陣の見解を、親会社の見解とあわせて、親会社の株主に対して適切に開示するよう求める。
経営上の重要事項について、子会社・親会社共に経営陣の見解を開示することを求めています。両方の開示をそれぞれ行うこととなっていますが、実際のところ一致しない見解であれば不都合が生じるのは目に見えています。
アクサ ジャパン ホールディングスとの方針の違いから SBIホールディングスが SBIアクサ生命をこの時期に手放したのも年度末の決算発表でこの開示ルールを念頭に置いたためではないかと推測できます。
ちなみに、「上場制度整備の実行計画2009」の基は、金融庁所管の金融審議会 金融分科会 我が国金融・資本市場の国際化に関するスタディグループにてまとめられた「金融審議会金融分科会 我が国金融・資本市場の国際化に関するスタディグループ報告〜上場会社等のコーポレート・ガバナンスの強化に向けて〜」のようです。
「金融審議会金融分科会「我が国金融・資本市場の国際化に関するスタディグループ」報告の公表について」
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20090617-1.html
(金融庁 審議会・研究会等 > 金融審議会 > 答申・報告書等 2009.6.17)
来年度は統合の影響もあって、損害保険会社のほとんどが持ち株会社あるいはグループ会社の傘下の会社となります。つまり、この開示ルールの影響を受けることになります。
ここは、ちょっと興味があります。特に、親会社ではできないことを子会社でやっているところについてです。