重要事項説明書の簡素化

金融審議会下にある「保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキング・グループ」にて諮問事項の1つである『必要な情報が簡潔で分かりやすく提供されるための保険募集・販売の在り方』に対する検討を行う過程で、それとリンクして損害保険業界として一般社団法人日本損害保険協会にて「重要事項説明書(契約概要・注意喚起情報)」の見直しが行われてきました。
そして、関係各所との調整の結果を踏まえて、改定サンプルとガイドラインの見直しが確定しました。
「重要事項説明書をよりわかりやすく〜ページ数半減、文字数4分の1に〜【No.13-011】」
http://www.sonpo.or.jp/news/release/2013/1309_06.html
(一般社団法人日本損害保険協会 お知らせ > ニュースリリース 2013.9.19)

これまでの重要事項説明書は、情報量が多く、消費者にとって「読みにくく」「わかりにくい」との指摘がありました。
今回作成した改善案(プロトタイプ)は、消費者にとって読みやすく、募集人にとって使いやすいものにすることを主眼に置きました。

やはり昨今の「重要事項説明書」は、情報量が多すぎて却って分かりにくいし、読む気にすらならないという問題があるということが、報告書を読むと浮き彫りにされており、本当に重要なことが理解されるように見直しが進められたようです。
しかも、「保険会社向けの総合的な監督指針」に囚われずに検討されているようで、おそらく逆に監督指針の方が一部変更されることになると思われます。
個人的にも今回の改定は「重要事項説明書」本来のあるべき姿への正しい見直しが行われたものと思っています。
 
どうも「重要事項説明書」は、多くの一般的な顧客のためというよりも、?金融庁向けのポーズとして記載が増えているのではないかという疑いと?保険会社や代理店でのクレーム回避(「重要事項説明書」に書いてあったのに、それを読んでいないのは顧客が悪いという理屈を展開するため)と?数少ない口煩い契約者(何故大事なことなら「重要事項説明書」に書いていないのか!という輩)対策のために段々ボリュームが増えてきたのではないかと思われます。
今回?については金融庁と握っているでしょうからいいとして、?と?は相変わらず残っているので、時間が経つにつれて元の木阿弥となる懸念があります。
その辺りは今後各社が対応していくこととなると思いますが、クレーム回避だけを意識する部署や一部の煩い契約者を向くのか、真のあるべき姿を維持し続けるのか姿勢が見えてくることになりそうです。