自動車保険の型式別料率クラス

自動車保険の保険料に影響を与える要素として、「型式別料率クラス」(以後、料率クラスと書きます)というものがあります。
あまり耳慣れないものですが、結構大きなインパクトがあります。なぜなら、これの影響で最大約4倍もの保険料格差が生じるからです。例えば、自動車を買い替えたら同じ契約内容でも保険料が4倍になる可能性があるということを意味しています。
その割には、料率クラスに関する説明はあまりなされていないようです。
知っている範囲で、簡単にまとめてみようと思います。
 
料率クラスは、損害保険料率算出機構が決定しており、それを各損保が利用しています。従って、損保毎に料率クラスが異なるということはありえず、業界共通となっています。
料率クラスが定められているのは、自家用普通乗用車・自家用小型乗用車のみです。
自家用軽乗用車は、損保業界としては型式別料率クラスの導入を希望していますが、反対勢力にあって現状導入できていないと聞いています。
 
料率クラスは、対人,対物,傷害,車両があり、それぞれ独立して 1 〜 9 で自動車の型式(かたしき)によってクラスが定められます。
それぞれ、以下の結びつきがあります。
対人…対人賠償,自損事故
対物…対物賠償
傷害…搭乗者傷害,人身傷害
車両…車両
ざっくりと、料率クラスが 1 上がると保険料は 1.2 倍になると思っておくとそんなに外れないと思います。尤も、ここは各社が独自に調整をしている可能性があるので、必ずしもきっちり 1.2 倍になるとは限りません。(料率クラスは業界共通ですが、料率クラスを保険料に反映する時に用いる係数は各社独自にすることができます。)
 
そして、料率クラスは毎年見直しを行っています。ただし、一定以上の台数が市場に出回っていない型式の車の場合は見直しの対象とならずに、前年の料率クラスが据え置かれます。
見直しは、↑の保険の損害率によってそれぞれ独立して行われます。例えば、車両事故が多い型式の場合は、車両の料率クラスが上がるという具合です。
損害率による料率クラスの見直しは、その料率クラスの集団の中で行われ、ある型式について一定の基準よりも損害率が低い/高い場合に、料率クラスが1つ下がる/上がるということになります。
このことにより、無事故で満期を迎えてノンフリート等級が上がっても、更改時に保険料が高くなるという現象が起こる可能性があります。
 
新発売の車や日本に流通していない並行輸入車などで、前年の料率クラスがないものはどうなるのでしょうか?
これもここではざっくりと書きます。車両の料率クラスは新車価格で 2 〜 8 の範囲で決定されます。ただし、モデルチェンジの場合は元のモデルの損害率から 1 〜 9 の範囲で設定されます。車両以外の料率クラスは総排気量で 4 または 5 とされます。
新発売の車は事前に料率クラスの連絡が各損保に行われるので、営業現場で料率クラスが分からないというのは、その損保が社内の手配を怠っているだけという可能性が高いです。
 
現在の料率クラスを調べるのは、そんなに難しくありません。どこか適当なダイレクト系損保のサイトで調べたい車種で保険料の見積もりをすればいいです。すると、大抵どこかに料率クラスを表示してくれます。
一般的には、自動車保険を安くしたいなら、事故を起こしそうな人達が乗りそうな車や車両盗難によくあう車を避けると良いと言えます。
 

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これを書こうと思ったキッカケは↓です。
料率クラスが不定のまま契約というのはちょっと考えられません。料率クラスを決める手順はあるのですから、料率クラスを決定して保険料を算出して契約するのが自然です。
なお、ダイレクト系損保がこれを受けるかどうかは別の話です。その辺りの話はまた気が向いたときにでも書こうと思います。
 
「QNo.4475317 並行輸入車の自動車保険
http://okwave.jp/qa4475317.html
OKWaveコミュニティー > マネー > 保険 > 損害保険 2008.11.13 13:52)