保険の基本問題に関するWG(12/19)

12/19に開催された金融分科会第二部会 保険の基本問題に関するワーキング・グループの資料が公開されています。
「保険の基本問題に関するワーキング・グループ(第49回)議事次第」
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/dai2/siryou/20081219.html
金融庁 審議会・研究会等 > 金融審議会 > 議事録・資料等 2009.1.6)
保険法成立後においては、9/1610/310/2712/19と開催されてきました。このうち、10/27 開催分は大和生命の破綻関連で毛色が違うようです。
まともに議事要旨があるのは 9/16開催分のみですが、それを読みつつ今回の資料を見ると何がテーマになっていて、どこまで話がなされているのかなんとなく想像できます。
ついでに、9/16開催分の議事要旨が出る前に「保険の基本問題に関するWG(9/16) 」でも、取り上げたので読み返してみました。
 
今回のWGでは、主に募集に関する問題がテーマになっていたようです。
2つ目の資料「消費者から見た「保険の募集と支払のあり方」の課題と検討」を読むと、問題視されていることの一部が分かります。この資料の主張によると早い話が、保険商品が消費者に充分理解されていないということのようです。
ただ残念なことに、この資料を元にどんな意見交換がなされたのか、重点的に話し合われたポイントはどこなのか不明です。
 
資料として興味深いのは、消費者情報ネットが作成した「保険会社の「契約のしおり・約款」比較評価表」です。主に生保会社(なぜかあいおい損保が混じっていますが)の医療保険の「契約のしおり・約款」について見た目を中心に得点を付けて評価しています。
満点は168点なのですが、評価の結果は13点から135点までかなりの差が付いています。これは、「契約のしおり・約款」に対して、コスト削減を推し進めたのか/読みやすさを重視したのかの会社の方針の違いが如実に出たものではないかと思われます。コスト削減のためには、紙を薄く、色数を少なく、文字のポイントを小さくするというのは常套手段で、契約者に渡すもののうち最もかさばる保険約款は真っ先に手を付けることになりますから、これが読みにくくなるのは必然です。
なお、この評価はあくまで「契約のしおり・約款」の見た目だけで、保険商品そのものにはまったく踏み込んでいないことに注意する必要があります。つまり、得点の高低は必ずしも保険商品の良し悪しとはリンクしていないということです。
 
まだまだ議論は始まったばかりで一定の結論が出るまで時間がかかりそうです。
とは言え、のんびり議論していると情勢の方がどんどん変わっていって、結論と実態がちぐはぐなものになりそうな気がします。少なくとも、保険法対応によって告知事項や通知事項については、各社募集時の取扱いを改めてくる可能性が高いと思います。