2007年度の火災保険統計

損害保険料率算出機構のサイトにて、昨年度(2007年度)の火災保険の統計が公表されました。2006年度のものと比較しながら、ざっくりと眺めてみました。
 
「火災保険統計【平成19年度】」
http://www.nliro.or.jp/disclosure/toukei/toukei_h19_01.pdf
(損害保険料率算出機構 ニュース&新着情報 2009.2.17)
 
この統計表は、第1表から第13表までの13種類の表からなり、基本的に物件別の統計になっています。個人的に興味があるのは住宅物件と一般物件なので、そのあたりを中心に見ています。
 
『第1表 火災保険 総括表』
物件別に新契約の件数・保険金額・保険料および支払の件数・保険金をまとめた表です。
なんだか表自体がさみしくなってます。と言うのも、2006年度版は2002〜2006年度の5か年分があったのですが、2007年度版は2007年度の1か年分だけしかないためです。
それにしても、年度毎の推移を見ると 2007年度の住宅物件は凄いです。
例えば、住宅物件の新契約の件数は、以下のようになっています。
  2002年度 6,899,083
  2003年度 6,295,553
  2004年度 4,960,375
  2005年度 4,100,942
  2006年度 3,809,217
  2007年度 9,743,476
見てのとおり、何かの間違いじゃないか?と思えるほど多いです。多過ぎてちょっと不気味です。尤も、2008年度はさすがにこんな数字は期待できませんが…。
 
『第5表 火災保険 住宅物件・一般物件 構造級別統計表』
1年契約の住宅物件・一般物件それぞれについて、構造級別別に新契約の件数・保険金額・保険料および支払の件数・保険金をまとめた表です。
母数自体は、先に書いたとおり大幅に2007年度は増えているので、新契約の件数の構成比で比較してみました。右側が2007年度です。
 住宅物件
  A構造 15% 21%
  B構造 13% 15%
  C構造 56% 56%
  D構造 16%  9%
 一般物件
  特級  14% 15%
  1級  14% 14%
  2級  34% 34%
  3級  25% 27%
  4級  12%  9%
A構造が増えていることとD構造が減っていることが目立ちます。
 
『第6表 火災保険 住宅物件・一般物件 目的別統計表』
1年契約の住宅物件・一般物件それぞれについて、保険の目的別に新契約の件数・保険金額・保険料および支払の件数・保険金をまとめた表です。
これも新契約の件数の構成比で比較してみました。
 住宅物件
  建物 42% 36%
  家財 31% 39%
  混合 26% 24%
 一般物件
  建物 38% 37%
  動産 37% 38%
  混合 25% 24%
住宅物件・一般物件ともに動産の件数と建物の件数が逆転しています。第1表のところで2007年度は多過ぎると書きましたが、これを見ると動産への付保が伸びていることが異常な伸びの原因とも言えそうです。建物は建築した件数が伸びなければ、そう簡単に増えませんから。
 
『第9表 火災保険 住宅物件 保険期間別統計表』
住宅物件について、保険期間別に新契約の件数・保険金額・保険料をまとめた表です。
これも新契約の件数の構成比で比較してみました。
  短期    1%  0%
  1年   77% 54%
  2年   15% 22%
  3年    2%  2%
  4,5年  3% 15%
  6〜10年  1%  1%
  11〜15年  0%  0%
  16〜20年  0%  1%
  21〜25年  0%  0%
  26〜30年  0%  1%
  31〜年   0%  3%
1年ものの構成比が減って、長期契約がかなり増えています。11年以上で 0% のところも件数は2006年度に比べて、全体の伸び以上に増えています。
これは、住宅ローンひも付きの火災保険(銀行窓販)が増えているということでしょうか。
ちなみに、第10表が同じ内容の一般物件バージョンですが、こちらはそれほど顕著な変化はありません。