2007年度の地震統計

損害保険料率算出機構の火災保険統計によると火災保険の住宅物件の新契約が2007年度に大幅に増えていることを、「2007年度の火災保険統計 」で取り上げました。
住宅物件の火災保険が増えているなら、地震保険も増えているはず…それにしては、地震保険統計が出た時に何も思わなかったのは何故だろう?と思って、改めて地震保険統計を見てみました。ちなみに、地震保険統計のPDFファイルが作成されたのは 2007年11月27日なので、損保料率機構サイトでの公表時期は昨年末だったような気がします。
地震保険統計【平成19年度】」
http://www.nliro.or.jp/disclosure/toukei/toukei_h19_02.pdf
 
この統計表の対象は家計地震のみです。拡担地震や地火費は含まれていません。
中身は、第1表から第6表までの6種類の表からなっています。火災保険統計表と異なる点として、保有(件数,保険金額)があり、支払(件数,支払額)がありません。つまり、損害率はまったく読み取れません。地震の場合は、短い期間での損害率に意味はないからでしょう。
 
『第1表 地震保険 総括表』
年度別に新契約の件数・保険金額・保険料および保有の件数・保険金額をまとめた表です。
新契約の件数と保有の件数の推移は以下のとおりです。
  2003年度 6,365,411  8,564,002
  2004年度 6,993,985  9,324,901
  2005年度 7,670,520 10,246,735
  2006年度 7,789,666 10,775,335
  2007年度 7,977,095 11,217,390
増えてはいますが、火災保険のように2007年度が顕著に増えている様子は見られません。おそらく、自動継続も新契約としてカウントされているので、その影響もあると思います。
 
『第6表 地震保険 都道府県別付帯率の推移』
都道府県別に年度毎の地震保険付帯率をまとめた表です。
全国平均の付帯率は以下のとおりです。
  2003年度 34.9%
  2004年度 37.4%
  2005年度 40.3%
  2006年度 41.7%
  2007年度 44.0%
着実に伸びていることは分かりますが、この推移と火災保険の新契約件数のでこぼこと地震保険の新契約件数とは、単純に考えると辻褄が合いません。ただ、火災保険の伸びの原因が長期だとしたら、理屈をつけることはできそうです。
 
『第3表 地震保険 都道府県・目的・構造別統計表』
保険の目的(建物,家財)・構造別に分けて、それを更に都道府県別に新契約の件数・保険金額・保険料および保有の件数・保険金額をまとめた表です。
都道府県別に見てもしょうがないので、保険の目的(建物,家財)・構造別に前年との新契約の推移を見てみました。左側が2006年度、右側が2007年度です。
  建物・イ構造 1,946,621(21.3%)→ 2,038,574(21.7%)
  建物・ロ構造 3,076,503(33.7%)→ 3,196,352(34.0%)
  家財・イ構造 2,158,804(23.7%)→ 2,216,343(23.6%)
  家財・ロ構造 1,936,239(21.2%)→ 1,956,630(20.8%)
火災保険で見られたほどの顕著な傾向はないようです。これも自動継続がカウントされていることによる影響が大きいためと推測されます。新契約といっても、保有に近いものになってしまうからです。
 
地震保険については全般的に見て、特に2007年度における特徴的な傾向は見られないように感じられます。