大和生命の更生計画案提出

昨年、経営破綻した大和生命保険株式会社の更生計画案が東京地方裁判所へ提出されたとのことです。既に3/2にジブラルタ生命保険株式会社とスポンサー契約を締結しており、プルデンシャル傘下に加わることは明白でした。
「更生計画案の東京地方裁判所への提出について」
http://www.yamato-life.co.jp/company/news/pdf/yamato_ba_pdf/press090323.pdf
大和生命保険株式会社 新着情報 2009.3.24)

○更生計画認可決定後、社名を「プルデンシャル ファイナンシャル ジャパン生命保険株式会社」と変更致します。
○平成20年10月17日現在の債務超過額は約643億円です。
○営業権(のれん代)として32 億円を資産に計上いたします。
生命保険契約者保護機構より約278億円の資金援助を予定しております。
○責任準備金等の削減を原則10%(高予定利率契約は別途)とし、予定利率は1.0%とし、早期解約控除は更生計画認可後10年間で20%〜2%とします。
○更生計画認可決定後、大和生命は資本金を全額減資し、ジブラルタ生命保険株式会社に対し、普通株式69,090 株(1株あたり100,000円、払込額69億900万円)を割り当てます。
○当社は財務内容が健全化され、ソルベンシー・マージン比率が約700%となる見込みです。

↑で主に気になるのは、長モノの契約の削減度合です。後ろの方に詳しい内容があるのでそれと合わせて読むと全体が見えてきます。
責任準備金は単純に削減する分だけでも最大でも90%になり、更に責任準備金の積み立て方を全期チルメルにすることにより当初提示されていたものよりもますます減ると思われます。生保では責任準備金の積み立て方を変更するのは経理操作目的だけかと思っていたのですが、ここで使われるとはちょっと予想外でした。
その上、予定利率を1%にするというのだから、将来に給付を予定していた人はかなりのダメージを受けます。
しかも、すぐに解約しようとすると、本来の解約返戻金(責任準備金削減後)の80%しか払われないのですから、どうしようもありません。
 
「更生会社大和生命に関する更生計画案について」
http://www.gib-life.co.jp/st/about/news/newsbody.html?YEAR=2009&NEWS_ID=86
ジブラルタ生命保険株式会社 ニュース&プレスリリース 2009.3.23)

プルデンシャル ファイナンシャル ジャパン生命は、約15.1万件に上る既契約のお客さまをお預かりするとともに、将来の発展が大いに期待できる代理店チャネル・銀行窓販チャネル等の非営業社員チャネルの専門会社として生まれ変わる予定です。尚、大和生命の営業社員の皆さんは、一定の条件の下、ジブラルタ生命に転籍していただくことを計画しており、ジブラルタの営業組織としてシナジー効果を得て、お客さまの利益のために全力を傾注し、営業努力をして参ります。

ここでは、今後の販売チャネルについて触れられています。代理店チャネル・銀行窓販チャネルをメインにするとのことです。確かに、今更高コストとなる生保レディ中心なんてことをするのは愚かしいことだと思います。しかし、先に挙げているチャネルはいずれも複数生保乗り合いが想定されますが、そこで戦っていけるのか不安です。破綻した大和生命を引き継いでハイリスク・ハイリターンの商品を出すのは論外ですし、他社と同レベルの商品なら会社の信用度で負けてしまうと思います。いずれにせよ、軌道に乗せるのは難しいと思われます。