地震保険改定の一部変更

11月28日に行った地震保険改定の届け出内容を損害保険料率算出機構は、本日一部変更しました。
地震保険基準料率の変更に関する届出(平成20年11月28日付)について、内容を一部見直しました」
http://www.nliro.or.jp/news/2008/090325.html
(損害保険料率算出機構 ニュースリリース 2009.3.25)

平成20年11月28日付の届出においては、「枠組壁工法建物」(例:ツーバイフォー工法建物)の全てについて、構造区分をロ構造区分(保険料が高い区分)からイ構造区分(保険料が安い区分)に変更する内容としていましたが、今回の見直しにより、「枠組壁工法建物」が「省令準耐火建物」に該当する場合にはイ構造とし、該当しない場合は現行どおりロ構造とします。

3/23に「地震保険改定への異議申立とやりとり」で、全国建設労働組合総連合旭化成建材株式会社がした異義申立に対する意見聴取の論点をちらっと書きましたが、今回の変更点は旭化成建材との以下の論点に対応したもののようです。

論点3 今般の火災保険及び地震保険の料率改定において、「枠組壁工法建物」について、省令準耐火に該当しないものも含め、従来の高い保険料区分から安い保険料の区分に変更しているが、これは妥当か。

最初(11/28)に届け出た内容は、先に認可された火災保険の改定で耐火(住宅物件:M,T構造,一般物件:1,2級)/非耐火(住宅物件:H構造,一般物件:3級)の区分変更に合わせて、イ構造(耐火)/ロ構造(非耐火)の区分を火災保険と同じにするというものでした。
ここで実は、木造であっても「枠組壁工法建物」(主に2×4)であれば、火災保険において無条件に耐火の方になり、それと同じ基準とした地震保険においても耐火になります。もともとは省令準耐火建築物を耐火扱いにするのが趣旨だったと思われます。恐らく、募集において省令準耐火建築物の確認が容易ではないためだと思うのですが、枠組壁工法建物なら省令準耐火建築物であるとみなして枠組壁工法建物自体も耐火扱いにしたものと思われます。
それが、全建総連と旭化成建材からの異議申立と意見聴取の中で、枠組壁工法建物でも省令準耐火建築物でないものが無視できない程度の比率で存在し、住宅金融支援機構の力もなくなってきた今ではその比率が今後減ることもないだろうということが明らかにされました。それを受けての変更となったものです。
 
今回の地震保険の料率区分変更に伴って、既に認可済み火災保険の参考準率規定も同様の変更がなされました。つまり、耐火の要件から枠組壁工法は除外され、省令準耐火建築物であることが耐火と判定される要件になりました。
火災保険も同じ扱いにするなら、この変更はアリです。寧ろ、地震リスクではなく火災リスクが同等ではないという主張だったのだから、火災保険を変更しておかないと理屈がおかしくなってしまいます。
 
ないとは思いますが、今度は日本ツーバイフォー建築協会とか2×4をがんがんやっている会社や団体とかが異議申立をしたら、ちょっと笑えます。